高橋 ソチへ試練…右脛骨骨挫傷、GPファイナル欠場

[ 2013年11月29日 05:30 ]

GPファイナルを負傷欠場する高橋

 エースが試練に立ち向かう。日本スケート連盟は28日、フィギュア男子の高橋大輔(27=関大大学院)が右脛骨(けいこつ)骨挫傷のため、12月5日開幕のGPファイナル(福岡)を欠場すると発表。26日の氷上練習中に痛め、精密検査の結果、約2週間の加療が必要と診断された。ファイナルで日本人最上位メダリストになればソチ五輪代表に前進するはずだったが、最終選考会の全日本選手権(12月21日開幕、埼玉)に全てを懸ける。ファイナルには補欠リスト最上位だった織田信成(26=関大大学院)が繰り上がりで出場する。

 ソチ五輪への代表争いが佳境に入る中、高橋にアクシデントが発生した。26日、氷上練習中にルッツで転倒した際に右足に痛みを感じ、京都府内の病院で精密検査を受けた結果、「右脛骨骨挫傷」という診断。約2週間の加療が必要となり、12月5日開幕のファイナルの欠場を決断した。日本連盟を通じ、高橋は「ファイナルでスケートをお見せすることができず残念ですが、皆さまの前でまたスケートを披露することをモチベーションに治療に専念したいと思います」とコメントした。

 高橋は08年10月、トリプルアクセルで転倒して右膝の前十字じん帯を断裂、半月板を損傷した。今回の故障も同じ右足だが、関係者は「古傷を再び痛めたわけではなく、あくまでも別の場所」と説明。今月上旬のNHK杯前から痛みを訴えていたという。ファイナルで日本人最上位に入れば五輪選考でアドバンテージを得るはずだったものの、最終選考会の全日本選手権に全てを懸けることになった。完治に2週間かかれば、本格的な練習再開は12月10日ごろ。全日本まで10日ほどしかないため、わずかな時間でコンディションを上げられるかどうかが鍵を握る。

 昨年の全日本王者・羽生、今季GP連勝の町田、織田、小塚…。3枠をめぐる日本男子の争いはし烈だが、高橋は「自分の気持ちを救うも追い込むも自分次第。ポジティブに自分を導き、この状況にも目を背けずに向き合い、スタッフとも相談しながら今できることを精いっぱいやろうと思います」と気丈に前を向く。今季で現役を終える高橋のフリー「ビートルズ・メドレー」のラストは、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」。長く曲がりくねった険しいソチ・ロードだが、エースは絶対に諦めない。

 ▽ソチ五輪への道 男女ともに日本の枠は3。最終選考会は12月21日開幕の全日本選手権(埼玉)で、優勝者は代表に決定。2人目はGPファイナル日本人最上位メダリストと全日本の2、3位選手の中から選考。2人目の選考から漏れた選手と、世界ランク日本人上位3人、国際大会のベストスコア日本人上位3人の中から3人目の代表を選考する。高橋は現在、世界ランクでは羽生に次いで日本人2番手で、日本人上位3人は確実。仮に全日本で表彰台を逃しても、選考対象には入る。

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2013年11月29日のニュース