白鵬 難病少年に愛の手!全国規模で募金呼びかけ

[ 2013年11月28日 05:30 ]

水流添日向くんの母・二三代さんに「愛」と書いた直筆のサインを贈る白鵬(左)

 鹿児島県霧島市の観光大使を務める横綱・白鵬(28=宮城野部屋)が27日、同市を表敬訪問し、同市在住で心臓に難病を抱える水流添日向(つるぞえ・ひなた)くん(6)の“救命”に全面協力することを表明した。既に「つるぞえひなた君を救う会」が、米国で心臓移植を受けるために必要な1億4500万円の募金集めを行っているが、目標には達していない。横綱は全国規模での募金を呼びかけるとともに、自らも支援に参加することを約束した。

 白鵬は宮城野部屋の九州後援会が霧島市で行われていた縁で、09年から同市の観光大使を務めている。この日午後、市役所を訪れ、前田終止(しゅうじ)市長から、同市在住の小学1年の男児を救うための募金活動について説明を受けた。日向くんは、約50万人に1人の頻度で発症する難病「拘束型心筋症」を患っており、米国での心臓移植を受けるには1億4500万円の費用がかかる。だが「つるぞえひなた君を救う会」の公式サイトによれば、26日現在で募金は196万円しか集まっていない。前田市長は「来年3月までに集めないといけない。ご協力をお願いします」と切り出した。白鵬はこれを快諾し「何かの力になりたい。まずはブログに載せて全国規模で声を掛けたい」と日向くんの存在を広く一般に知らしめることを提案した。

 この日は女手一つで日向くんと兄3人を育てている母・二三代(ふみよ)さんも白鵬と初対面。本人は心臓に負担をかけないために市役所に来ることはできなかったが、相撲好きの日向くんがこの日のために書いた「はくほうさん がんばってね。ひなたもまけないよ」というメッセージを添えた似顔絵が渡された。受け取った白鵬は直筆で「愛」と書いたサインを二三代さんに託した。

 訪問を終えると横綱は早速、自身のブログに「ひなた君の気持ちに自分も応えます。ご協力の程、よろしくお願い申し上げます」と掲載した。二三代さんは「日向も白鵬関に会いたがっていました。愛というメッセージをいただき、あらためて日向は皆さんの愛で支えられていると感じました。夢はただお友達と走ったり、バレーをしたりしたいこと」と話した。

 渡米は3月を目指しているが、募金目標の7割が集まり次第、出発するという。九州場所で優勝を逃した白鵬にとっても、日向くんの存在は大きなものとなりそうだ。

 ▽「拘束型心筋症」 心室の壁が硬くなり十分に膨らむことができない原因不明の難病。50万人に1人の頻度で発症する。突然死のリスクも高く予後不良の病気であり、有効な治療法はないとされる。悪化した場合の唯一の救命手段は心臓移植のみとされている。

 ▽「つるぞえひなた君を救う会」 募金の振込先など詳細は公式サイトに掲載。問い合わせは同事務局=(電)0995(58)2536=まで。

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