森田1週でさくら逆転!今季4勝目で賞金トップ再奪取

[ 2013年11月25日 05:30 ]

森田理香子は逆転で優勝し岡本綾子師匠(右)と抱き合って喜ぶ

女子ゴルフツアー 大王製紙エリエール・レディース最終日

(11月25日 愛媛県松山市 エリエールゴルフクラブ松山=6442ヤード、パー72)
 白熱の女王争いは森田が再逆転だ。2位に2打差の首位で出た森田理香子(23=リコー)が1イーグル、4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの69をマークし、通算15アンダー、273で今季4勝目を挙げた。横峯さくら(27=エプソン)は同じく69で、通算11アンダーの7位に終わった。賞金レースは森田が横峯に逆転された直後の試合で再逆転。決着は約280万円差で次週の最終戦、LPGAツアー選手権リコー杯(28日開幕、宮崎CC)に持ち込まれた。

 研ぎ澄まされた集中力は、不思議な感覚を生み出す。森田が1打ビハインドで迎えた17番のロングパットを振り返る。「格好いいこと言っていいですか?ライン見えたんですよ。もしかしたら入るかもって」。カップ直径の108ミリと同じ幅の線が15メートル先のカップまで確かに見えた。ボールは2メートルも曲がる架空の線をなぞって沈んだ。静寂を破るギャラリーの歓声。そして、ガッツポーズ。1つ前の組の藤本をかわす勝利を決めたイーグルだった。

 良くも悪くもドラマチックな一日だった。9番のダブルボギーで一時は4位に後退。しかし、気持ちは死んでいなかった。「岡本(綾子)さんに勝負はバックナインと言われている。それだけを頭に浮かべて回った」。その通りに後半は5アンダー。17番のミラクルの後も、師匠の言葉が支えになった。「いいプレーの後にフンドシを締め直せと言われている。(興奮で)イーグルの後は手の震えが止まらなかったので、フンドシ、フンドシと思って」と呪文のように唱えた。平常心を保ち、18番は2オン2パットのパーでしのいだ。

 負けるわけにはいかなかった。歓声の中には、この3年、オフの間に練習参加したソフトボール・日立マクセルの仲間17人の声が交じっていた。チームは今年限りで解散。見ている前で恩返しの勝利を届け、「最後にみんなの前で優勝したかった」と喜びをかみしめた。もう一つ、森田が背負うものがある。母校・京都学園のゴルフ部が、冨田譲監督の定年退職に伴い来年度で廃部になる。自分を育ててくれた環境が消滅。「寂しいです」と言うが、恩師は「彼女が活躍する限り、学校の名前は残ります」と語る。母校のためにも結果を求めていく。

 横峯に逆転された直後の試合で、再び賞金ランク首位を奪い返した。劇的な5カ月ぶりの勝利に感情も高ぶるが、「ここで泣いていては駄目。勝負は来週」と言い聞かせた。最終戦は横峯が9位以下なら無条件で女王になる優位。涙は悲願をつかむまで取っておく。

 ▼3位・比嘉真美子 (1メートル強を外した)17番のイーグル逃しのバーディー、18番のボギーはもったいなかった。(18番は5メートルのチャンスから2パット。悔しさの残る66)

 ▼8位・不動裕理 最後でこういうゴルフができて良かった。(16年続いていた最終戦の出場を逃す)

続きを表示

2013年11月25日のニュース