町田SP2位からフリーで逆転V ファイナル決めた!

[ 2013年11月24日 05:30 ]

男子で優勝した町田樹のフリー

GPシリーズ最終戦ロシア杯最終日

(11月23日 ロシア・モスクワ)
 男子フリーで町田樹(たつき、23=関大)がトップの172・10点をマーク。合計を自己2番目の257・00点とし、SP2位から逆転優勝を果たした。GP通算3勝目を挙げ、12月5日開幕のファイナル(福岡)進出も決定。女子は宮原知子(15=関大高)が165・76点で5位に入ったのが日本勢最高で、村上佳菜子(19=中京大)は162・46点で7位、今井遥(20=ムサシノク)は145・30点で最下位の9位だった。

 2年連続の大舞台切符を手に入れた。スケートアメリカを制し、今大会4位以内でファイナルに進出する町田が、GP3勝目を挙げた。合計257・00点は自己ベスト265・38点に及ばなかったが、SPで7・63点差だったコフトゥンを逆転だ。「ファイナルが決まってホッとしているが、優勝でも喜べない」。目指すレベルが高いからこそ、口をついたのは反省の言葉だった。

 冒頭の4回転トーループは手をついたが、続く4―2回転に成功。それでも「全てのジャンプが無理やりというか力ずくだった」と振り返った。昨季と同じ「火の鳥」は20世紀初頭に結成された伝説的なバレエ団「バレエ・リュス」のためにロシアの作曲家ストラビンスキーが手掛けた作品。ロシアで生まれた曲で今季も勝負をかけている。

 日本での調整では4回転が決まらず「絶不調の領域」とこぼした。不安を抱える中、「調子が悪い時こそ、いかに戦って勝ち取るか」と闘志を燃やし、モスクワ入り後はSPで大技を決めて復調。フリーに向けて「バレエなど身体芸術が発達しているロシアは観衆の目も肥えている。その人たちに全身全霊で町田樹の火の鳥を届けたい」と気合を入れていた。

 宇宙空間にも運ばれ、ロシア全土を巡る五輪の聖火リレー。そのトーチは「火の鳥」をモチーフにした、赤い羽のようなデザインだ。成長を続ける23歳はソチで羽ばたく自分の姿をイメージしている。「ロシア杯からはファイナル、全日本選手権と生きるか死ぬかのシビアな戦いが続く。失敗は許されない」。昨季のファイナルは最下位の6位に沈んだ。リベンジの好演技で、五輪代表最終選考会の全日本に弾みをつける。

 ▽GPシリーズ 6大会行われ、選手は2大会にエントリー。各大会の1位に15点、2位13点、3位11点、4位9点、5位7点、6位5点、7位4点、8位3点のポイントが与えられ、合計ポイント上位6選手がファイナル(12月5日開幕、福岡)に進出する。

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2013年11月24日のニュース