佳菜子 笑顔消えた…「史上最強に最悪」SP最下位発進

[ 2013年11月23日 05:30 ]

女子SP演技冒頭で違う音楽が流れ、困惑した表情を見せる村上佳菜子

フィギュアスケートGPシリーズ最終戦ロシア杯第1日

(11月22日 ロシア・モスクワ)
 まさかの最下位発進だ。女子ショートプログラム(SP)が行われ、村上佳菜子(19=中京大)はシニアで自己ワーストとなる49・24点で9選手中9位。宮原知子(さとこ、15=関大高)は56・57点で6位、今井遥(20=ムサシノク)は49・55点で8位と出遅れた。ユリア・リプニツカヤ(15=ロシア)が世界歴代3位となる72・24点のハイスコアで首位に立った。

 トレードマークの笑顔が消えた。SP「スイング・メドレー」は村上が「自分らしい曲で、自分も楽しみながら、見ている人も楽しめるように頑張りたい」というお気に入りのプログラム。だが、演技冒頭で耳に届いたのは全く違う曲だった。「(音楽の間違いは)初めて。集中力が切れたのか、緊張感が途切れたのか自分でも分からない」。まさかのハプニングでリズムに乗れず、49・24点で最下位発進。「史上最強に最悪でした」と瞳を潤ませた。

 公式練習では軟らかめの氷に戸惑い、武器のジャンプでミスが相次いだ。腰痛でレイバックスピン(上半身を後ろに大きく反らしたスピン)の練習を控えており、山田コーチは「あの子は心次第。本番でやるしかない」と奮起を促していた。後半のトーループの2連続3回転は2―1回転の判定に。3回転フリップも回転不足となり、コンディションの不安が、そのまま演技に出た。

 10年バンクーバー五輪は年齢制限で出場資格がなかったため、今季が初めて夢舞台を狙うシーズン。「周りから“頑張ってね”って言われるから、(五輪が)大きな大会なんだってあらためて感じる」。周囲からの重圧を深刻に受け止めず、「あまり考えすぎないようにしています」と話していたが、4位の中国杯に続いて、本来の姿を見せることはできなかった。

 23日のフリーではフリップ―トーループではなく、難度が低いトーループの2連続3回転を入れる予定。「あした(23日)は絶対にやってやるという強い気持ちでやる」。優勝すれば12月5日開幕のファイナル(福岡)に進出できたが、もはや絶望的だ。五輪代表最終選考会となる全日本選手権(12月21日開幕、埼玉)へ、少しでも手応えをつかみたい。

 ▽GPシリーズ 6大会行われ選手は2大会にエントリー。各大会の1位に15点、2位13点、3位11点、4位9点、5位7点、6位5点、7位4点、8位3点のポイントが与えられ合計ポイント上位6選手がファイナル(12月5日開幕、福岡)に進出。昨季のファイナル進出ラインは男子が24点、女子が22点だった。

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