遼 “水際残った”「大ラッキー」で連覇へ5差4位

[ 2013年11月17日 05:30 ]

18番、笑顔でキャディーにクラブを渡す石川

男子ゴルフツアー スポニチ後援三井住友VISA太平洋マスターズ第3日

(11月16日 静岡県御殿場市 太平洋クラブ御殿場コース=7246ヤード、パー72)
 6位から出た石川遼(22=CASIO)は6バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの70で回り通算9アンダー、207で首位と5打差の4位に浮上した。18番で池に入ったボールが跳ねて命拾いする幸運からバーディーを奪い、逆転優勝に望みをつないだ。35歳の誕生日だった谷原秀人(フリー)が67をマークし、通算14アンダーで単独首位に立った。12位から出た松山英樹(21=東北福祉大)は74を叩き通算3アンダーの21位に後退した。
【第3R成績】

 悲鳴がすぐに歓声へと変わった。最終18番パー5。石川が4Iで放った第2打はグリーン右手前の池に確かに着水した。しかし、低い弾道が幸い。なんと水面ではねてハザード内の池縁の芝にたどりついた。前日は2度の“池ポチャ”でスコアを落とした18番だったが、水際で生き残ると「大ラッキー。本当に助かった」と運を生かし、3打目を50センチに寄せてバーディー。「あしたにつながると思う」。連覇へ可能性を残す5打差の4位に踏みとどまった。

 序盤は力が入った。1番は12メートルのバーディーパットを2メートルオーバー。2番は2打目をグリーン奥のバンカーに打ち込んだ。それでも1番は微妙なパーパットを沈め、2番はバンカーから50センチに寄せてしのいだ。その後は出入りの激しいゴルフが続き、14番では痛恨のダブルボギーも叩いた。左ラフからの第2打は木の枝に当たって失速し、グリーン手前の池へ。「高い球で止めたかったので、ぎりぎりを狙いすぎた」といい、1・5メートルのボギーパットも外した。それでも、「アプローチとパターは悪くない」と語った通り最終18番の3打目のアプローチはイメージ通りで寄せて締めくくった。

 ライバルの活躍も逆転への原動力に変える。首位に立ったのは21日開幕のW杯(オーストラリア)でタッグを組む谷原だ。日の丸を背負う仲間に刺激を受けており「来週に向けて谷さんも気持ちは締まっていると思う。お互いに良い結果を出して、高め合っていきたい」と闘志をにじませた。

 10勝のうち3勝が最終ラウンドでの逆転。07年のマンシングウエアKSBは4打差の9位、08年のマイナビABCは3打差の3位、10年の中日クラウンズでは6打差の18位から58を叩き出して優勝した。5打差は大きいが、決して不可能ではない。「ピンを攻めていく。優勝を目指し、あしたはビッグスコアを出すように頑張りたい」と力を込めた。

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2013年11月17日のニュース