条治 今季W杯初勝利!“ゆったり”奏功、五輪に前進

[ 2013年11月17日 05:30 ]

男子500メートルで今季初優勝した加藤

スピードスケートW杯第2戦第1日

(11月15日 米ソルトレークシティー)
 男子500メートルで加藤条治(28=日本電産サンキョー)が今季W杯初勝利、通算14勝目を挙げた。普段よりもゆっくりとした動きで加速し、自身の日本記録に0秒04差と迫る34秒258で、ギルモア・ジュニオ(カナダ)と優勝を分け合った。及川佑(32=大和ハウス)は34秒49で9位、長島圭一郎(31=日本電産サンキョー)は34秒66で14位だった。女子500メートルは小平奈緒(27=相沢病院)が自身の持つ日本記録を0秒13更新する37秒29をマークしたが、7位にとどまった。李相花(韓国)が世界記録を0秒17上回る36秒57で開幕3連勝を飾った。

 リラックスが優勝へとつながった。前週にカナダ・カルガリーで行われたW杯第1戦で、加藤は17位、7位と不発。調子がいまひとつだと感じていたため、この日は開き直り、普段よりゆったりとした動きで加速した。それが思わぬ結果につながった。自身の日本記録に0秒04差と迫る好タイムをマークし、今季W杯初勝利を手にした。

 06年トリノ五輪は6位、10年バンクーバー五輪は3位と、ともに金メダルに届かなかった。その一因を「力み」と分析した今村俊明監督は「優しく、力まず落ち着いて。これが五輪で出せるか」と説明する。高村洋平コーチは気持ちに余裕を持たせるため「34秒5の10番くらいでいい」と話して送り出したという。

 今季初の表彰台に上がり、ソチ五輪代表にも大きく近づいた。500メートルの日本代表枠は12月23日に国際スケート連盟から通達されるが、現時点では最大の4枠が予想され、その場合、半数の2枠がW杯の成績で決まる。それだけに、この勝利は大きな1勝だ。加藤は「はまれば世界のトップにいることは確認できた」と自信も深めた。

 【男子】▽500メートル (1)加藤条治(日本電産サンキョー)34秒258(1)ギルモア・ジュニオ(カナダ)34秒258(3)M・ムルダー(オランダ)34秒26(9)及川佑(大和ハウス)34秒49(14)長島圭一郎(日本電産サンキョー)34秒66(18)羽賀亮平(日本電産サンキョー)34秒84

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2013年11月17日のニュース