野獣がよみがえった!ロンドン金・松本V 完全復活アピール

[ 2013年11月11日 06:00 ]

女子57キロ級決勝で宇高(左)に優勢勝ちした松本

柔道講道館杯全日本体重別選手権最終日

(11月10日 千葉ポートアリーナ)
 女子57キロ級ではロンドン五輪金メダリストの松本薫(26=フォーリーフジャパン)が6年ぶり2度目の優勝を飾った。昨年11月に右肘の手術を受けてから初の優勝で“野獣柔道家”の完全復活をアピールした。男子100キロ超級では、10年世界選手権無差別級覇者の上川大樹(24=京葉ガス)が大会初優勝で存在感を示した。大会終了後の強化委員会でグランドスラム東京大会(29日開幕、東京体育館)の男女代表56選手が決まった。

 松本が試合で頼りにするのは「人間の勘」と「野性の勘」。金メダルを獲ったロンドン五輪は両方がバランスよく交じったハイブリッド型だった。しかし、五輪後に「みんなが期待する松本薫でいなきゃ」と金メダリストの体面を気にするうちに“人間側”が優位になったという。結果として8月の復帰戦は3位。そこで今大会は野性への回帰を試みた。「あまり考えずに本能のままに動こう」。試合の合間には空を眺めてエナジーチャージ。「空はいろいろ教えてくれる。きょうは人間の部分は0・01%ぐらい。おかげで試合の内容はほとんど覚えてない」。指導2を与えて競り勝った決勝の宇高戦もうろ覚えだったが、勝ち上がる中では鮮やかな袖釣り込み腰での一本勝ちも見せた。「次に向かってやっと一歩を踏み出せた」と復活優勝とともに野獣がよみがえった。

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2013年11月11日のニュース