遠藤 甘くなかった…黒星スタート 強行にも前向き「思った以上」

[ 2013年11月11日 06:00 ]

豊響(右)に押し倒される遠藤

大相撲九州場所初日

(11月10日 福岡国際センター)
 左足首痛を抱えながら出場に踏み切った西前頭7枚目の遠藤(23=追手風部屋)は黒星発進となった。185キロの東7枚目・豊響の圧力をまともに受けて押し倒された。横綱・白鵬(28=宮城野部屋)は今年70勝目を挙げ、7年連続7度目の年間最多勝が確定。ご当地出身の大関・琴奨菊(29=佐渡ケ嶽部屋)、7度目のカド番の大関・琴欧洲(30=同)はともに敗れた。
【初日取組結果】

 左足首が治りきらない中で、すんなり勝てるほど甘くはない。それでも、幕内2場所目の遠藤にとっては無事に初日を取り切った喜びの方が大きかった。引き揚げてきた支度部屋での第一声は「思った以上に取れました」。それが本音だった。

 押し相撲の豊響との一番。立ち合いでまわしをつかもうと、痛めている左足で果敢に踏み込んだ。しかし、強烈な喉輪が伸びてきて、それを逃れようとしたところを押し倒された。内容は一方的だったが、前に出る圧力が一級品の相手との対戦で大きな収穫があった。

 「(立ち合いで)かばって踏み込めないよりは踏み込んでいった方がいい。大きな相手にも左足で踏ん張れた。足首も思った以上に力が入った」

 先場所13日目に痛めた左足首は捻挫と剥離骨折と診断された。秋巡業でもほとんど稽古ができなかったが、自身は休場は考えなかった。テーピングの仕方を勉強し、巡業中は携帯できる電気治療器を宿舎に持ち込んで懸命にケア。福岡入りしてからは、東京からトレーナーを呼び寄せて連日マッサージ。そのかいあって場所直前に急激に回復。休場の可能性が報じられたときには両親をはじめ問い合わせの電話が何本かかかってきたが、そんな周囲の憂いに対し、この日「あしたからも相撲になるという気がしました」と答えを出した。

 師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)も「あと2、3回負けたらいいんじゃないか」と愛弟子を突き放しながらも、「なんとかいけそうだね」と期待感をにじませた。

 この日も土俵入りでは圧倒的な歓声を浴びた。地元・石川県穴水町からは町役場の職員約20人が応援に駆けつけた。期待と大歓声に白星で応える日は遠くない。

続きを表示

2013年11月11日のニュース