大砂嵐 戸惑いも早すぎて「うれしくない」

[ 2013年10月28日 19:26 ]

 大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の新番付が28日に発表され、アフリカ大陸出身初の力士の大砂嵐(21)=本名アブデルラフマン・シャーラン、エジプト出身、大嶽部屋=が新入幕となった。

 初土俵から所要10場所での昇進は、外国出身者として最速記録だ。福岡市内で記者会見した大砂嵐は苦笑いを浮かべ「早い。幕内のレベルは全然違う。あまりうれしくない」と、順調すぎる出世に戸惑いを口にした。

 パワーを生かした突っ張りを武器に、初土俵以来負け越しがない。イスラム教徒としてラマダン(断食月)を経験した7月の名古屋場所と次の秋場所でともに10勝し、十両を2場所で通過した。

 本人が新入幕を喜ばないのは、腰が高く、力任せに相手を張ったり、引いたりする課題を痛感しているからだ。「自分は七十パーセントくらいがパワーで、テクニックはちょっとだけ。もっと腰を落とし、下半身の力をつけないといけない」と話す。師匠の大嶽親方(元十両大竜)も「雑な相撲は見苦しいといつも言っている」と、厳しく指摘する。

 ただ、ひたむきな稽古や日本の習慣になじもうとする姿勢はいい。親方によると、来春から東京国際大の聴講生になり、日本文化に関する講義を聴きに行く予定という。大砂嵐は「何番勝ちたいとかは関係ない。一日一日いい相撲を取ることだけを考える」と、謙虚に自ら言い聞かせた。

続きを表示

2013年10月28日のニュース