桃子　今季最高３位！シード獲得へ“１試合増”ゲット

８番でバーディーパットを沈めギャラリーの声援に応える上田

女子ゴルフツアー　ＮＯＢＵＴＡ　ＧＲＯＵＰ　マスターズＧＣレディース最終日

（10月27日 兵庫県三木市　マスターズゴルフ倶楽部＝６４４５ヤード、パー７２）
　ホールアウトしてから２０分後のクラブハウス。通算８アンダーで並んでいた後続のフォン・シャンシャンが１８番でパーだったことを伝え聞くと、上田は「イエス！」と声を上げてガッツポーズ。今季自己ベストの３位を決め笑顔を見せた。３位に入ればシードを持たない選手でも次週の試合に出場できる規定がある。貴重な１試合増に自然と声も弾んだ。

　「いろいろなシミュレーションをしながら夜を過ごした。前半４つ伸ばせば（優勝の）チャンスはあるなと」と考えて臨んだ最終日。１番でバーディーを奪い、「よし行こう」と臨んだ２番でボギー。気合は空回りしたが、すぐに気持ちを切り替えた。７アンダーに伸ばし迎えた１５番でリーダーボードを確認。「（出場試合を）１試合増やすには（同スコアで並んでいた）シャンシャンより上に行かなきゃ」。１７５ヤードの１７番パー３では５Ｉで１・５メートルにつけてバーディー。最終的に３位で並んだが、諦めない気持ちが終盤で生きた。

　０８年から米ツアーに本格参戦。母・八重子さん（６３）は「予選落ちしては泣いてばかりだった」という。良いプレーにも拍手はまばら。気持ちでプレーするタイプの上田にとって観客の少ない米国は肌に合わなかった。成績不振もあり米ツアーは今季で撤退の意向。今週はバーディーを奪えばギャラリーからの声援に気持ちが乗り、ミスの時は鬼の形相で悔しがった。「久々にゴルフが楽しくなってきた」。０７年に賞金女王に輝いた時のように喜怒哀楽を前面に出す姿が戻って来た。

　３位で約６８２万円を獲得し、獲得賞金約１３２５万円で賞金ランク５５位に浮上した。自力で出場権を得た次戦の１１月１日開幕の森永製菓ウイダーレディース（千葉）はもともと推薦での出場だったが、推薦を辞退することで別の試合で推薦を受けられることになった。シード獲得に向けチャンスが広がったが、「ずっと崖っ縁ですから。今週の悔しい気持ちを晴らしたい」と力強く決意を語った。

　≪５１位までが獲得≫開幕前は賞金ランク７６位だった上田だが、３位で６８２万円を獲得し、賞金額約１３２５万円で同５５位に浮上した。来季の賞金シードは有資格者を除く上位５０人。永久シードの不動裕理が現在３０位にいるため、現状では５１位のイ・ジウまでが獲得できる。