さくら 今季3勝目!379万円差、逆転賞金女王射程!

[ 2013年10月28日 06:00 ]

優勝しウイニングボールをスタンドに投げ込む横峯

女子ゴルフツアー NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日

(10月27日 兵庫県三木市 マスターズゴルフ倶楽部=6445ヤード、パー72)
 賞金ランク2位の横峯さくら(27=エプソン)が記録ずくめの大会2勝目を挙げた。最終日はスコアを1つ伸ばして通算12アンダー、204は54ホールの大会最少。通算21勝目となる今季3勝目で、史上初の5度目の年間1億円突破を果たした。女王争いは首位・森田理香子(23=リコー)に約379万円差に接近。2度目の女王へ視界が開けた。大会は第2日が中止になり、54ホールの短縮競技。賞金加算は75%に減額されている。
【最終成績】

 最後のボギーはご愛嬌(あいきょう)とばかりに最終18番で20センチのパットを入れ、横峯はおどけるように軽く右手でガッツポーズした。

 「朝から緊張していました。きょうは全部パーでいいと。トップにいると自分のプレーができない。毎回そう思います」

 何度経験しても、ヒリヒリする感覚は慣れるものではない。5打のリードがあったこの日も硬さが出た。スコアが伸びずに14番が終わった時点で1つ前の組のアン・ソンジュに2打差に詰められた。昨年は3打差のリードを守れずにプレーオフで敗北。重圧を感じる展開だった。だが、迫られてからが昨年と違った。

 「2打差は分かっていました。(15番をパーで終えれば)いつもなら、残り3ホールでリードが“2打差しかない”と思うけど、きょうは“まだ2打もある”と思えた」

 15番で5メートルのスライスラインを決め、16番でも3メートルを沈めて連続バーディー。メンタル改造の効果で試合を決定付けた。

 04年夏にプロになって10年目。パターを除くクラブ13本のグリップの色は毎年のように変えている。今年は「赤」を選択。占いや験かつぎを大切にする横峯は「赤はもともと好きな色でラッキーカラー。今年は知人に勧められ“あ、そうだな”と思って」と笑う。今週はマニキュアもラッキーカラーにして勝利を呼び込んだ。

 昨夏から週1度、プロ野球・日本ハムの斎藤佑樹も治療を受けているという整体師から背骨などの矯正を受ける。「体が曲がっていると言われました。体の面では食事のことしか気を付けていませんでしたけど、年を取っているんだなと思います」。効果は精神面にも表れ「自分のスイングが悪いのではなく、体が曲がっているからと思えた」と前向きに整えた心身で今季3勝につなげた。

 史上初となる5度目の年間賞金1億円到達で女王レースも分からなくなった。残り21試合時点であった森田との最大4338万4167円差は379万2001円差まで急接近。「1回目の女王はラッキーもある。2回目を獲ってこそ本物と思う」。高らかな女王宣言はしないものの、2度目の戴冠への思いをにじませる。残り11試合で4400万円差を逆転した09年のように逆転のシナリオは出来上がっている。

 ≪史上初の5度目1億円突破≫横峯が年間獲得賞金で3年ぶり5度目の1億円突破を果たした。日本女子ツアーでは史上初めて。それまでは07年から10年まで4年連続の4度を記録し、不動裕理(00、03~05年)、全美貞(06、07、09、12年)と並んでいた。

続きを表示

2013年10月28日のニュース