佐藤コーチ 真央の演技点の伸びは“めりはりが生まれた点”と語る

[ 2013年10月21日 18:28 ]

エキシビションで演技する浅田真央

 フィギュアスケートで日本女子のエース浅田真央(中京大)が20日、米デトロイトで行われたグランプリ(GP)シリーズ第1戦のスケートアメリカで合計204・55点をマークして初優勝し、苦手意識のあったシーズン序盤で200点の大台に乗せた。悲願の金メダルを狙うソチ冬季五輪に向け、表現面での成長と仕上がりの早さをアピールしたGP初戦となった。

 3年前のバンクーバー五輪で出した自己ベストにあと0・95点に迫った。この日のフリーでは転倒したトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)など三つのジャンプで減点を受け、技術点では2位。それを補って余りある演技点の高さが光った。

 表現力を示す5項目の得点が10点満点でいずれも8点台中盤から後半と高評価。「技のつなぎ」が7点台のバンクーバー五輪のフリーと比べ、5項目合計で2・50点も上回り「課題は(3回転を全種類入れる)ジャンプだけ」と言い切れた。

 佐藤信夫コーチは演技点が伸びた要因として、演技にめりはりが生まれた点を挙げた。陸上選手に例え「今までは(スピードで劣る)長距離選手の体の使い方だったが、今季は中・短距離に近い」とし、躍動感を最後まで保つ「スタミナがその分必要」と指摘した。

 佐藤コーチの助言に従い、早めに現地入りする調整法が奏功したことも収穫だった。宿敵の金ヨ児(韓国)が持つ世界歴代最高の合計228・56点が視野に入り、浅田は「まだ上を目指せる」と意気込む。日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長は「大人のスケーターという感じになってきた」と評価した。(共同)

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2013年10月21日のニュース