内村 平行棒で金!鉄棒は銅!万能キング2冠で締め

[ 2013年10月7日 06:00 ]

男子種目別決勝 平行棒の演技を終え、ガッツポーズする内村

体操世界選手権最終日

(10月6日 ベルギー・アントワープ)
 万能キングがまた輝いた。種目別決勝が行われ、平行棒で内村航平(24=コナミ)が15・666点をマークして金メダルを獲得。個人総合と合わせて今大会2冠とし、世界選手権の通算金メダルを6に伸ばした。日本勢で平行棒の世界王者は81年大会の具志堅幸司以来32年ぶり。鉄棒でも15・633点で銅メダル。加藤凌平(20=順大)は15・025点で7位だった。跳馬では白井健三(17=岸根高2年)が15・133点で4位、女子床運動では村上茉愛(まい、17=池谷幸雄倶楽部)が14・466点で4位だった。

 最後の後方屈身2回宙返り降りで着地をこらえると派手なガッツポーズを見せた。個人総合で4連覇を達成した内村が平行棒でも輝きを放った。ノーミスの演技で美しくまとめて、15・666点。Eスコア(実施点)でトップの8・966点を出し、林超攀(中国)と同点優勝だ。自身の個人総合、白井の床運動、亀山のあん馬…。体操ニッポンのゴールドラッシュ。主役はやはり内村だ。

 「平行棒はDスコア(演技価値点)を上げて、凄くいい演技ができた。金メダルは無理かなと思って3位狙いだったが…。種目別は着地勝負なので、平行棒も鉄棒も決められて目標達成です」。最後の鉄棒でも銅メダルを獲得し、世界選手権の通算メダル数を日本歴代2位の13(金6、銀3、銅4)に伸ばした。

 昨年のロンドン五輪で個人総合を制覇。五輪金メダリストとして迎えた世界選手権だが、気持ちはいつもと変わらなかった。誰よりも美しく――。「ロンドン五輪はもう、だいぶ昔の出来事ですね」。金メダルは自宅のテレビの横に置いてある。アスリートにとって最高の勲章を目にしても、感慨に浸ることはない。「ああ、金メダリストかぁって思うくらいですね」と笑みを浮かべる。

 昨年11月に結婚し、今年4月には第1子となる女児が誕生。父として迎えた世界選手権は、今までと違った。「寝顔を見るだけで、疲れが吹き飛ぶんですよね」。家族の存在が王者のモチベーションを高めている。

 右肩、右足首の故障もあって昨年のロンドン五輪よりも難度を落とした構成で挑みながら、2つの金メダルを獲得した。16年リオデジャネイロ五輪はもちろん、自国開催の20年東京五輪まで視界に捉えている。「東京五輪の時は31歳。日本選手団の中でも年上だろうし、責任がありますよね」。黄金ロードは7年後のTOKYOまで続く。

 ▼加藤凌平 決勝に残ると思っていなかった種目でトップ選手とできて楽しかった。種目別も強い航平さん(内村)を見習わないといけない。

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