豪栄道11勝 大関へ足掛かり 九州へ「悔い残さないよう」

[ 2013年9月30日 06:00 ]

魁聖(右)を寄り切る豪栄道

大相撲秋場所千秋楽

(9月29日 両国国技館)
 関脇・豪栄道が魁聖を寄り切って11勝目を挙げ、三役3場所33勝が目安となる大関昇進への足掛かりをつくった。今場所は白鵬に土をつけて2度目の殊勲賞を獲得。下位への取りこぼしという課題を乗り越え、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)では大関獲りの足固めを狙う。4場所連続27度目の優勝を14日目に決めた横綱・白鵬は横綱・日馬富士を小手投げで仕留め、14勝1敗。日馬富士は2場所連続10勝に終わった。

 生粋の大阪人である豪栄道らしいドヤ顔が大関への決意を示していた。自身より30キロも重い188キロの魁聖に対し、立ち合いですぐに左前みつをガッチリ。体を密着させて相手の投げもこらえ、左を差しながら力強く寄り切った。角界随一の厳しさを誇る境川部屋の稽古で培われた強じんな足腰と持ち味のうまさで、大関への足掛かりとなる11勝目をつかみ“どうだ”と言わんばかりの自信たっぷりの顔つきで勝ち名乗りを受けた。

 来場所は単独3位となる10場所連続関脇が決定的。だが、支度部屋に戻ってきた27歳はそんな記録からの脱出を誓った。「もう若いと思ってない。30歳過ぎたら強くならない。勢いのあるうちに悔いを残さないように過ごして将来につなげていきたい」。今場所のホップから来場所でステップを踏み、来年初場所で三役3場所33勝が目安となる大関昇進へジャンプすることを宣言した。

 関脇を務める最近9場所での対大関戦は20勝18敗と勝ち越し、今場所も1横綱3大関を破って殊勲賞を獲得。唯一の課題は今場所も平幕に2敗したように下位への取りこぼしであることは明確で、北の湖理事長(元横綱)も「下位相手に落とさないようにしないとチャンスはない」と課題を挙げた。関脇での10勝以上は過去に2度あるが、いずれも翌場所は1桁に終わっている。本人も「どんな相手でも精神状態を同じにしないと。普段から自分を追い込んでいきたい」と自覚十分だ。

 場所後には大阪府寝屋川市に帰郷し、ふるさと大使に就任する。「そうなったら最高です」と地元で行われる来年3月の春場所を新大関で迎えるというシナリオは頭の中では既に出来上がっている。あとは、それを実行に移すだけだ。

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2013年9月30日のニュース