藍V逸 最後まさかの急失速 スコア見て「気持ち緩んだ」

[ 2013年9月30日 06:00 ]

18番、バーディーパットを決められず体を折り曲げて悔しがる宮里藍

女子ゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン最終日

(9月29日 宮城県利府町 利府ゴルフ倶楽部=6498ヤード、パー72)
 首位に3打差の6位から出た宮里藍(28=サントリー)は70にとどまり、通算4アンダーで1打及ばず2位に終わった。14番までに7バーディーを奪う猛チャージで首位に立ち、2位イ・ナリ(25=韓国)に一時は4打差をつけたが、15番のダブルボギーと17番のボギーで失速し、再逆転を許した。イ・ナリは日本ツアー参戦6年目で初優勝を飾った。

 誰もが宮里の優勝を確信していた。14番を終えた時点で12番を終えた2位のイ・ナリに4打差。残りは4ホール。独走態勢に入っていた。それが15番パー3で暗転する。第1打はピンまで8メートルの奥のカラーに止まった。いったん上って池に向かって下る難しいライン。そこでグリーンの先にあるボードが見えてしまった。

 「自分のゲームに集中するため一日中スコアボードを見ないようにしていたのにボールを確認した時にチラッと見てしまった。気持ちが緩んでしまった」。パターで打った第2打を2メートルショートさせると、パーパットは1・5メートルもオーバー。返しも外して、事実上の「4パット」で痛恨のダブルボギーを叩いた。

 17番では1メートルのパーパットがカップをかすめてボギー。2位に転落し、ツアー16勝目も手からこぼれ落ちた。

 14番までは完璧だった。不調だったパットは沖縄にいる父・優さんにアドバイスをもらった。テークバックの際にグリップから始動している点を指摘されヘッドから動かすよう修正すると感覚が戻った。「100点以上のプレーができていた」だけに悔しさが募る。「緩んだものを戻すのは難しい。勉強になった」と吐き出した。

 03年、東北高3年のアマチュアとしてツアー初優勝した大会。「丸10年たって」の優勝はかなわなかったが、今季2番目の1万43人のギャラリーを沸かせ主役を演じた。9番終了後クラブハウスに戻る時には数百人が花道をつくり拍手と激励の言葉で宮里を迎えた。「感情的になる自分を必死で抑えた。青春時代をこの土地で過ごせて良かった。震災から2年しかたってないのに、たくさんの人が元気に応援してくれて励みになった」

 次戦はメジャーの日本女子オープン(10月3日開幕、相模原GC)。「もう少しかみ合えば結果を残せる。いい感触で臨める」と手応えもある。カップを掲げる準備は整った。

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