中部電力 初五輪へ崖っ縁 残り2戦全勝しかない

[ 2013年9月17日 06:00 ]

北海道銀行戦に敗れ、引き揚げる中部電力の選手(手前)

カーリングソチ冬季五輪世界最終予選代表決定戦第5日

(9月16日 札幌どうぎんカーリングスタジアム)
 女子の中部電力が崖っ縁に追い込まれた。北海道銀行との4戦先勝方式の決勝が行われ、第2戦を7―6で勝利したが、3戦ではミスを重ねて大敗。予選からの通算成績は2勝3敗で、日本選手権3連覇とバンクーバー五輪後のカーリング界を引っ張ってきた女王が、初の五輪出場へ窮地に立たされた。

 第3戦の第9エンド。北海道銀行に11点目を奪われた中部電力はギブアップした。もう1敗も許されない2勝3敗。スキップの藤沢は「粘り強さがなかった。点を取った直後に取られ、流れをつかめなかった」と反省を口にした。

 苦戦を強いられた予選から復調の兆しは見せた。午前中に行われた決勝第2戦。最終10エンドで藤沢が魅せた。ハウス内ほぼ中央にある2つの相手ストーンを、スピードのあるショットでダブルテークアウト(2つの石をハウス外にはじき出す)。そして、自らのストーンはハウス中央に残す絶妙のプレーを披露した。

 これで2勝2敗。一気に王手といきたかったが、勢いが続かなかった。夕方開始の第3戦は、第3エンドで藤沢の好ショットで2点を獲得。しかし、第4エンドに3失点、第5エンドに2失点と崩れ、突き放された。有利な後攻の第5エンドは石の配置が劣勢となるなかで、最後の氷の変化を読み取ることができなかった。

 「(第5エンドは)ショットが強くてミスをしてしまった」と藤沢。氷上に霜が付着して石の滑りが遅くなり、藤沢は1投目こそ決めたが、ブラシで掃かれた後の2投目が予想以上に距離が伸びる誤算があった。痛恨の2失点で2―7。この時点で敗色濃厚となった。

 世界切符を手にする条件は残り2戦で2連勝だけ。「崖っ縁だが、まだまだチャンスはある。最終戦まで持ち込んで、たくさん試合できると前向きに考えていきたい」と藤沢。今年3月に世界選手権に出場し、最終予選進出を勝ち取った女王の闘志は萎えていない。

 ▽日本代表決定方法 決勝は予選2試合の対戦成績も含めた7試合のうち、先に4勝したチームが勝者となるベストオブ7方式で日本代表が決まる。予選を終えた時点で北海道銀行と中部電力は1勝1敗のため、先に3勝したチームが優勝となる。

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2013年9月17日のニュース