内村 「主将」に意欲「自分の演技で日本に勢いを」

[ 2013年9月9日 06:00 ]

20年東京五輪でも活躍が期待される内村

2020年「東京」五輪決定

 万能キングがニッポンをけん引する。昨年のロンドン五輪の体操男子個人総合で金メダルを獲得した内村航平(24=コナミ)が、20年東京五輪で日本選手団の主将就任に意欲を持っていることが8日、分かった。31歳で迎える自国開催の夢舞台で、華麗な演技だけでなく日本の大黒柱として存在感を見せる。また、ロンドン五輪卓球女子団体銀メダルの石川佳純(20=全農)は、日本選手団旗手に名乗りを上げた。

 7年後、TOKYOでの夢舞台開催が決定し、日本中が沸いた。歓喜に浸ったアスリートたちは、東京五輪を見据えてもう戦闘モードに突入だ。「この度、2020オリンピック・パラリンピック開催地が東京に決定したことを、大変うれしく思います。招致活動に関わってくださった全ての皆さまのおかげであると思い、一選手として感謝の気持ちとうれしさを感じています」。所属のコナミを通じてコメントを発表した内村は、日本選手団を背負う決意をスポニチ本紙だけに明かした。

 「7年後は年齢的にも31歳で、日本選手団でも年上の方だろうし、責任もある。日本選手団の主将になったら、自分の演技で日本に勢いをつけたいですね」

 09年ロンドン世界選手権の個人総合で初めて戴冠すると、昨年のロンドン五輪まで前人未到の世界大会4連覇。世界に敵なしの万能キングがこのまま全勝街道を突っ走れば20年東京五輪で日本選手団の“顔”としての役割を担う可能性は十分にある。64年の東京五輪では33歳だった体操男子の小野喬が主将を務め、団体総合では金メダルを獲得した。体操ニッポンの主役、それは日本の主役と同義だ。

 東京開催でなければ、内村の五輪ロードは16年リオデジャネイロで終幕だった。12年2月に「20年五輪は絶対に無理」と話していたが、ロンドンの金メダル、銀座の50万人パレードで気持ちは変わった。「東京になったら目指したい。その時に力が落ちていても」。体操で31歳は大ベテランの域。64年東京五輪の小野は個人総合ではなく、種目別での代表入りだった。内村も「6種目は難しい。床運動と鉄棒を頑張りたい」と現実を見据える。オールラウンダーとしてのこだわりを捨てても立ちたい舞台、それが東京五輪だ。

 20年7月24日、生まれ変わった国立競技場での開会式。56年ぶりにTOKYOに帰ってくる夢舞台で、主将・内村が高らかに選手宣誓を行う。「今後も東京でのオリンピック開催を励みに、皆さまにより良い演技をお見せできるよう努力していきますので、ご声援のほどよろしくお願いします」。空前のゴールドラッシュの中心には、輝き続ける万能キングがいる。

 ◆内村 航平(うちむら・こうへい)1989年(昭64)1月3日、福岡県北九州市生まれの24歳。両親が開いた長崎県諫早市の「スポーツクラブ内村」で3歳で体操を始める。19歳で出場した08年北京五輪で団体総合と個人総合で銀メダルを獲得。09年世界選手権の個人総合で初めて優勝し、ロンドン五輪まで世界大会4連覇を達成した。昨年11月に結婚し、4月に第1子となる女児誕生。1メートル61、55キロ。

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2013年9月9日のニュース