渡辺強運2位 同組選手のボールに当たってイーグル

[ 2013年8月17日 06:00 ]

5アンダー2位タイと好発進した渡辺彩香は笑顔を見せる

女子ゴルフツアーNEC軽井沢72第1日

(8月16日 長野県軽井沢町 軽井沢72ゴルフ北コース=6555ヤード、パー72)
 19歳の大型ルーキー、渡辺彩香(ユピテル)が運も味方に首位と1打差2位と好スタートを切った。2番パー5で第3打が同組選手のボールに当たってカップインする珍しいイーグルに加えて、4バーディー。最終9番でボギーを叩いたが、5アンダー、67をマーク。6アンダーで回った豊永志帆(23=フリー)が首位に立った。 

 好スコアで会見場に呼ばれた選手に笑顔はつきものだが、渡辺はもう一つ納得いかない表情だ。6アンダーのトップで迎えた最終9番パー5で第2打をピン手前10ヤードまで運びながら、アプローチが8メートルオーバー。バーディーチャンスが一転、まさかの3パットボギーで後退し「67で回った気がしないんです。最後は最低でもパー」と口をとがらせた。

 最後をきっちり締めたかったのは驚くほどの幸運があったからこそ。2アンダーで迎えた2番パー5だった。残り56ヤード、SWでの第3打は2バウンドしてピン左50センチにあった同組J・J・ホン(韓国)のボールに当たってそのままカップイン。「当たらなければ2、3メートルはオーバー」(渡辺)だった。ホンには「思わずありがとうと言ってしまいました」と感謝し、「ついているかなと思った」と振り返った。米男子ツアーでは09年のカナダ・オープン第2ラウンドでリーフ・オルソンが他人のボールに当たってホールインワンの例があるとはいえ、今回は日本女子ツアー関係者が「記憶にない」という珍事となった。

 08年日本ジュニア優勝、埼玉栄高では全国高校団体戦優勝と実績を残し、昨年のプロテストに合格。1メートル72の恵まれた体と平均270ヤードの飛距離で将来を期待された。しかし「パットを含めたショートゲームが未熟」とプロの壁に苦しんだ。首位発進した日医工女子オープンの20位が最高成績だ。日医工女子では2日目に崩れたが、「今回はしっかりとやれます」と同じミスをするつもりはない。ジュニア時代から争い一緒にプロテストに合格した同じ19歳、比嘉が早くも2勝しているのも大きな刺激。「狙いたい」とツアー初勝利へ照準を定めた。

 ◆渡辺 彩香(わたなべ・あやか)1993年(平5)9月19日、静岡県熱海市生まれの19歳。小3から本格的にゴルフを始める。中学時代の08年日本ジュニアに優勝し、埼玉栄へ進学。3年で団体戦全国優勝。昨年末の今季のツアー出場権を懸けた予選会で29位となり今季出場。1メートル72、62キロ。福嶋晃子に憧れる。得意クラブは1W。

続きを表示

2013年8月17日のニュース