桐生 10秒31…男子100メートル予選敗退

[ 2013年8月11日 06:00 ]

男子100メートル予選を終えガックリの桐生

陸上世界選手権

(8月10日 モスクワ)
 男子100メートル予選が行われ、桐生祥秀(17=京都・洛南高3年)は10秒31で2組4位となった。自動的に準決勝進出となる各組3位に0秒01及ばず、各組4位以下の上位3人にも入れずに予選敗退。世界選手権の最年少記録となる17歳7カ月での準決勝進出はならなかった。最終7組で走った山県亮太(21=慶大)も10秒21の4位で予選敗退した。

 世界の壁が、17歳のワンダーボーイに立ちはだかった。使い慣れた日本のニシ・スポーツ製のスターティングブロックから勢い良く飛び出したものの、ゴール手前でカナダ人選手にかわされ、タイムは10秒31止まり。4月にマークした10秒01の自己ベストには遠く及ばなかった。「高校生なんで楽しんでいきたい。一本一本、集中して走りたい」と気合を入れていた桐生だが、3位に0秒01及ばない2組4位。各組4位以下の上位3人にも入れず、予選敗退が決まった。

 大惨敗を喫した6月30日のダイヤモンドリーグ(英国バーミンガム)から、修正できなかった。初めての海外遠征だった同大会では9秒台のスプリンターがズラリとそろう中、明らかに平常心を欠いていた。「レース前の表情が硬かった。ダイヤモンドリーグでは焦ってしまった」。スタートで出遅れ、10秒55で予選最下位。早めに上体を起こしてしまったことが凡走の原因だったが、この日はスタートダッシュで3位争いをしたが、終盤に力尽きた。

 3日までの全国高校総体では100メートル、200メートル、400メートルリレーで3冠。4日間で計9レース走り、疲労はピークに達していた。「高校総体に出てから世界選手権に行くのは自分が決めたこと」。過密日程でコンディションが万全だったとは言い難かったが、この日は「自分にプラスになるようにしっかり走るようにした。雰囲気や(他の選手の)最後の強さを感じた」と悔しい予選敗退にも収穫を得た。

 100メートルは終戦したが、大舞台はまだ終わらない。最終日(18日)の男子400メートルリレーでは、重要な1走を任されている。2走で待っているのは憧れの山県だ。「しっかりとバトンを渡すことだけを考えて走りたい。一番年下なんで、先輩方にバトンを託したい」。表彰台を目指してエンジンに再点火する。

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