寺川　バサロキックに不安…日本記録に及ばず

女子50メートル背泳ぎで決勝進出を決めた寺川綾

水泳世界選手権第１２日

（7月31日 スペイン・バルセロナ）
　女子５０メートル背泳ぎで優勝を目指す寺川は厳しい状況に追い込まれた。「中国選手（の力）が抜けているが、５０メートルは何が起こるか分からない。最後の最後まで金メダルを目指して集中する」と決勝の抱負を述べたが、表情は険しかった。

　スタートで潜る深さが泳ぐたびにばらばらで、バサロキックをうまく使えていないのが悩みの種という。準決勝も納得できるスタートが決まらず、狙っていた自身の日本記録に０秒１９届かなかった。隣を泳いだ中国の１７歳、傅園慧は力強い泳ぎで寺川を０秒３０も上回った。

　昨年のロンドン五輪も今大会も１００メートルで銅メダルに輝いたが、金メダルではなく表彰台狙いのレースをした。１日の決勝は、まだ到達していない世界の頂点だけが目標だ。２８歳のベテランは「あす（決勝）はちゃんと合わせたい」と自らを奮い立たせた。