沙羅 団体V 2位に大差で完勝 課題の飛型点しっかり修正

[ 2013年7月28日 06:00 ]

混合団体で優勝し、笑顔で写真に納まる日本チーム。左から高梨沙羅、渡瀬雄太、伊藤有希、葛西紀明

ノルディックスキーGPジャンプ混合団体ドイツ大会

(7月27日 ヒンターツァルテン=HS108メートル、K点95メートル)
 高梨沙羅(16=クラレ)が前日の反省を生かして日本を勝利に導いた。2位に終わった26日の個人第1戦を糧に、持ち味の飛距離だけでなく、飛型点も着実に挙げてポイントを稼いだ。葛西紀明(41=土屋ホーム)、渡瀬雄太(30=雪印メグミルク)、伊藤有希(19=土屋ホーム)も力を発揮し、2位のスロベニアに24点差、飛距離にして1人当たり約3メートル引き離しての完勝となった。

 日本チームの歓喜の輪が広がった。2月の世界選手権に続いて混合団体を制覇。ソチ五輪では実施されない種目とはいえ、各人が力を発揮しての堂々たる優勝だった。高梨も日本のエースにふさわしい飛躍を見せてチームに貢献した。

 日本は1回目1番手の伊藤が98・5メートルを飛び、まずはトップに立った。ベテランの葛西も103メートルを飛んで高梨につなぐと、3番手で登場したエースは105・5メートルの大ジャンプで2位以下とのリードをさらに広げた。しかも、着地で足を前後に開くテレマーク姿勢もなんとか決めた。5人の審判員のうち3人が18点台をつけ、飛型点は53・5点。思わず笑みがこぼれ、ガッツポーズとともに前日の嫌な思いを払しょくした。

 26日のGP女子第1戦では、飛型点が足を引っ張って2位に終わった。特に1回目は最長不倒をマークしながら両足がそろってお尻が沈みこむ形になった。飛型点は審判員全員が16点台の低い点数で49点。2回目も何とかテレマーク姿勢を取ったが、十分とはみなされずに51・5点。表彰台に上がっても「満足できない。テレマークを入れられなかった」と悔しさをにじませていた。

 抜群の飛距離と、遠くに飛ぶほど難しい着地。オフの重点項目だったテレマークで、昨季と同じ課題が再び浮き彫りとなった。「重点的に準備をしてきたが準備不足だった。次の大会までに修正したい」と話していたが翌日の混合団体で早速、修正してみせた。

 1回目で首位に立った日本は、2回目も大きな失敗はなく逃げ切りを決めた。高梨も94メートルと距離こそ伸びなかったが、飛型点は1回目と同じく53・5点をマークした。ソチ五輪シーズンの夏の初戦。課題も見えたが、まずは日本チームの仲間とともに1勝目を挙げた。

続きを表示

2013年7月28日のニュース