稀勢 4敗で綱振り出し…審判部長「11勝は大関」

[ 2013年7月22日 06:00 ]

4敗目を喫し、渋い表情で土俵を降りる稀勢の里

大相撲名古屋場所千秋楽

(7月21日 愛知県体育館)
 大関・稀勢の里の綱獲りは振り出しに戻った。大関・琴奨菊に寄り切られて4敗目を喫し、来場所に綱獲りをつなげる条件の12勝に届かずに終わった。後半戦に両横綱を倒したが、ここ一番での弱さを露呈。秋場所(9月15日初日、両国国技館)で綱獲りの再スタートを切ることになった。3場所連続26度目の優勝を決めた白鵬は、日馬富士に敗れ13勝2敗で終えた。
【取組結果】

 明らかに稀勢の里は緊張していた。勝てば来場所に綱獲りが継続し、負ければ全てが振り出しに戻る大事な一番。同じ日本人大関の琴奨菊と対峙(たいじ)した最後の仕切り前。重圧を感じている時に出てしまう野球少年だった頃からの“癖”の瞬きが何度も出た。土俵上で両目をパチクリ、パチクリ。前日の白鵬戦とは打って変わって上半身はガチガチで、1度突っかけた後の2度目の立ち合いで完全に圧力負けした。重心の低い相手に右上手を許すと、いとも簡単に寄り切られてしまった。

 花道を引き揚げる際、その目は潤んでいた。支度部屋に戻ると「はー、くそ」とつぶやきながら座り、「うーん」とうなって腕組み。報道陣からの質問には全て無言で、テーピングを取り外すためにつかんだハサミを床に落とすほど冷静さを失っていた。

 この日の朝稽古後には「しっかり締めてまたつながればいい」と意気込んでいたが、先場所千秋楽でも敗れた琴奨菊にまたも完敗し11勝止まり。横綱昇進には「2場所連続優勝か、それに準ずる成績」という内規があり、稀勢の里の11勝は準優勝に当たるものの、北の湖理事長(元横綱)は「11勝は準ずるとは言えない」とバッサリ。伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)も「11勝は大関の成績」と綱獲りが“振り出し”に戻ったことを宣告した。

 稀勢の里の父・萩原貞彦さんは「勝たなきゃいけないという、守りに入った場面ではまだ勝てない。将来的に長く歴史に残る横綱になるためには、横綱の力をしっかりと付けてからではないといけない」と現状を冷静に受け止めた。帰り際、稀勢の里は車に乗り込む際に「くそ」とつぶやき、座席のシートにもたれかかった。その悔しさは土俵で返すしかない。

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