桐生 10秒55で予選敗退も「次の世界陸上につながる」

[ 2013年7月1日 06:00 ]

陸上のダイヤモンドリーグ第7戦、男子100メートルで予選落ちした桐生祥秀(左端)

ダイヤモンドリーグ第7戦

(6月30日 英国・バーミンガム)
 ほろ苦い海外デビューレースとなった。男子100メートル予選に17歳の桐生祥秀(京都・洛南高)が出場。向かい風0・4メートルのレースは、10秒55で第1組最下位の8着。第2組との合計16人でも最下位のタイムだった。桐生は7月30日開幕の全国高校総体(大分)から8月10日開幕の世界選手権(モスクワ)で世界に再挑戦する。決勝ではネスタ・カーター(27=ジャマイカ)が9秒99で優勝した。

 ゼッケンには「KIRYU」の文字。日本代表ではなく個人遠征とあって、桐生は紺とピンクの高校のユニホームでスタートラインに立った。「高校生で出場している感じを出したかった」。スタート前に名前がコールされると、胸の「洛南高校」の文字をつかんで誇らしげに突き出した。

 隣にはロンドン五輪400メートルリレー金メダルのジャマイカ代表だったカーター。さらに横には03年世界選手権覇者のコリンズ。一方で普段着の17歳の高校生。そのコントラストが桐生の異例の挑戦を物語っていた。

 しかし「時差ぼけは初日以外は感じなかった。緊張もあまりしてなかった」という海外初レースは不本意な走りだった。スタートからスピードに乗れず、得意の中盤でも伸びを欠いたままだった。「レース展開が日本と全然違った。顔が上がった瞬間に勝てないだろうなと。走っていて差を感じた」。そのまま7選手の背中を見ながらゴール。夢の9秒台には遠く及ばない10秒55は、出場16人中のワーストだった。

 ダイヤモンドリーグは五輪や世界選手権よりも出場枠が少なく、一流選手が大会側から招待される。会場のアレクサンダースタジアムは、ほぼ満員の約1万2000人の大観衆で埋まった。「この舞台に立てたこと、走れることにうれしさがあった」と振り返る一方で、「自分の力不足を思い知った。でも、このレースがあってこそ次の世界陸上につながる」と振り返った。バーミンガムの抜けるような青空の下、17歳の胸の内には何物にも替え難い経験と悔しさが残った。

 【男子100メートル予選1組】(1)コリンズ(セントクリストファー・ネビス)10秒13(2)ローチ(ジャマイカ)10秒23(3)カーター(ジャマイカ)10秒26(8)桐生祥秀(洛南高)10秒55

 ▽ダイヤモンドリーグ 国際陸連が10年に新設したトラック、フィールド種目の世界最高峰シリーズ。欧州、北米、アジアで14大会が行われる。欧州の6大会で構成されたゴールデンリーグが前身。出場枠が少ないため、参加者は世界のトップ選手に限定される。賞金は各大会の優勝者が1万ドル(約99万円)、ポイントの合計で争う年間王者は4万ドル(約396万円)。日本の大会は含まれていない。

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