16歳の“ひねり王子”白井 初Vで最年少世界切符だ!

[ 2013年7月1日 06:00 ]

体操男子で五輪、世界選手権を通じ、史上最年少代表に決まった白井健三

体操全日本種目別選手権最終日

(6月30日 東京体育館)
 “ひねり王子”が初の大舞台切符獲得だ。世界選手権(9月30日開幕、アントワープ)の代表選考会を兼ねて行われ、白井健三(16=神奈川・岸根高2年)が床運動で15・900点を出して初優勝した。日本協会設定の派遣標準得点を突破し、88年ソウル五輪に大阪・清風高3年で出場した池谷幸雄、西川大輔を抜き五輪、世界選手権を通じ史上最年少代表。内村航平(24=コナミ)も絶賛するひねりを武器に、初の大舞台で金メダルを狙う。また男女10人の代表が決まった。

 内村の言葉が、16歳のあふれる才能を物語っていた。「ひねりすぎて気持ち悪いっすね」。11年世界選手権床運動金メダリストも驚く、ひねりの技術。床の演技のラストに、世界でも成功例の少ない伸身の後方宙返り4回ひねりを決めた白井が、日本協会が設定した五輪メダルレベルの派遣標準15・900点をクリア。男子史上最年少での代表入りを決めた。

 「しっかり(技を)通すことを目標にしていた。満足です」。1週間前にぎっくり腰を患い、痛み止めの薬をのみながらの出場だったが「同世代の選手もいて、緊張せずに楽しくできた。自分の演技をしたら点は出ると言ってきた」と16歳は胸を張った。

 健三という名前には、元選手の両親の思いが込められている。兄が2人いるが、本当はもう1人、兄か姉がいた。「生まれる前に流産してしまって…」と父・勝晃さん(53)。3人目の子供に出会えなかった後に誕生したのが白井だった。「健康な子に育つように」と名付けられた三男は3歳でもう、両親が教えるクラブのトランポリンで遊んでいた。勝晃さんは「ずっと跳ねて遊び、疲れ切って体育館で寝ていた」と回想する。内村と同様、幼少時に身につけたひねりが最大の武器だが、ひねりの秘訣(ひけつ)を聞かれても、「ヒュッとやるんだよ」と答える感覚派だ。

 マークした15・900点はロンドン五輪金の鄒凱(ゾウカイ)(中国)とわずか0・033点差。銀の内村を0・100点上回った。「最年少ということで、若さあふれる演技で勝負したい。細かいところはまだ直していける」と自信を見せる白井に「きょうのような演技をされたら、勝てるかどうか分からない」と内村。体操ニッポンにまた一人、無限の可能性を秘めたホープが現れた。

 ◆白井 健三(しらい・けんぞう)1996年(平8)8月24日生まれ、横浜市出身の16歳。体操クラブの指導者の両親、先に競技を始めていた兄2人の影響で3歳から体操を始める。神奈川・寺尾中3年時の11年全日本種目別選手権の床運動で内村を上回る高難度の演技を披露し、2位に入って注目を浴びた。昨年はアジア選手権で優勝し、日本協会の優秀選手に選ばれた。1メートル60、51キロ。

 ▽世界体操選手権代表選考 今年の世界選手権は個人総合、種目別のみで団体総合を実施しない。男子は内村がロンドン五輪個人総合金メダルなどの実績を評価されて、選考会前に代表入り。6月のNHK杯で個人総合枠に男子は加藤、女子は寺本が決まった。残りは全日本種目別選手権で決定し、例年よりも特定の種目が得意なスペシャリストに代表入りのチャンスが与えられた。男子は種目ごとに派遣標準得点を出した優勝者、女子は1種目で優勝かつ他の種目で8位以内の選手を優先的に選んだ。

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