クルム伊達 大会最年長!42歳で3回戦進出!

[ 2013年6月28日 06:00 ]

3回戦進出を決め、ガッツポーズするクルム伊達

ウィンブルドン選手権第4日

(6月27日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
 女子シングルスで世界ランキング84位のクルム伊達公子(42=エステティックTBC)が自身17年ぶり、大会最年長となる3回戦進出を決めた。2回戦は同87位のアレクサンドラ・カダントゥ(23=ルーマニア)を6―4、7―5で撃破。3回戦は過去5度優勝のS・ウィリアムズ(31=米国)と対戦する。男子シングルスの錦織圭(23=日清食品)は世界ランク85位のレオナルド・マイエル(26=アルゼンチン)にストレート勝ちし、昨年に続いて3回戦に駒を進めた。

 相手のフォアがサイドラインを割り、「カモーン!」の声が響いた。同時に伊達がウィンブルドンに新たな歴史を刻んだ。客席を埋めたたくさんの日本人ファンの拍手を浴びながら、気持ちよさそうな伊達のスマイルがはじけた。

 カダントゥは思い切り攻めてくることが少ないが、ミスも少ない選手。第1セットは第6ゲームで先にブレークを許したが、むしろリズムを乱したのは相手の方だった。力みが出て、次のゲームでダブルフォールトを連発。すかさずブレークバックした伊達は、第9ゲームの相手のサービスをラリーで打ち崩した。

 第2セットも23歳の相手に負けじと左右に走り回り、42歳と思えぬタフネスぶりで攻撃を仕掛けた。今大会が12回目のウィンブルドン。女子シングルス出場の128人中59人は、伊達が初出場した89年には生まれていなかった。90年生まれのカダントゥもその一人。そんな相手との一戦で「テニスはパワーやスピードだけではない」と語っていた言葉を証明した。

 1968年のオープン化以降、4大大会での最年長勝利は04年ウィンブルドンのナブラチロワ(当時47歳、米国)だ。ただし、ナブラチロワは2回戦で敗れており、ツアー歴代最多167大会優勝を誇る名選手を超え、大会最年長の3回戦進出となった。4大大会全体でも、伊達を上回るのは元男性で性別適合手術を受けたレニー・リチャーズ(79年全米オープン、当時45歳)がいるだけだ。

 「20代の頃はツアーもテニスも全てエンジョイしていなかった。今はテニスを愛しているし、情熱を持っている」。今大会はダブルスに加えて、混合ダブルスにもエントリー。花散らぬ42歳はウィンブルドンの全てを満喫している。

 ◆28日のウィンブルドン選手権テレビ放送
 ▽WOWOWライブ 20・55~、24・00~
 ※放送時間変更の場合あり

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2013年6月28日のニュース