ヒート ファイナル連覇!ジェームズ2年連続ダブルMVP

[ 2013年6月22日 06:00 ]

連覇に湧くヒートのジェームズ(右から3人目)ら

 ヒートが地元マイアミでスパーズを95―88で下し、史上6チーム目のNBAファイナル連覇を達成した。レブロン・ジェームズ(28)が第7戦の歴代最多記録に並ぶ37得点をマークし、マイケル・ジョーダン(ブルズ=91、92年)以来、史上2人目となるレギュラーシーズンとファイナルの2年連続ダブルMVPを獲得した。2勝3敗からの逆転優勝は現行システムでは4度目。スパーズは5度目のファイナルで初めて敗れ去った。

 ヒートが90―88として迎えた第4Qの残り1分39秒。チャルマースがフリースローを2本とも外してしまった。嫌なムードが漂う。しかしジェームズがこのあとジャンプシュートとフリースロー2本を決め、ジノビリのパスを寸断して勝利の瞬間を迎えた。

 「彼らに限界まで追い詰められた。もう言葉がない。究極の喜び。もう何の悩みもなくなった」。チャルマースが受けた重圧をはねのけたのがジェームズ。3点シュートを要所で5本決め、フリースローは8本すべてリングに沈めた。“キング”と呼ばれる男の強さだった。ただ紙吹雪が舞っても笑わなかった。ファイナル史上に残る激闘。スパーズのダンカンと抱き合ったときには肩を3度たたいてライバルの健闘を称えたが、笑顔を取り戻すには時間がかかった。

 「オハイオ州の小さな町で生まれ、今ここにいる。優勝するためにやってきたんだ。何も言うことはない」。古巣キャバリアーズを飛び出たのは3年前。周囲の声は厳しかった。利己的だという声もあった。それでも結果を出し、その存在感は圧倒的なものになった。

 9年間も交際し、既に2人の子供もいる恋人のサバナー・ブリンソンさんと9月に挙式する予定。超人的な活躍で連覇を達成したジェームズは、鮮烈な記憶をファンに植え付けて今季の戦いを終えた。

 ◆レブロン・ジェームズ 1984年12月30日、オハイオ州アクロン出身の28歳。高卒選手として03年ドラフトの全体トップでキャバリアーズに指名されNBA入り。レギュラーシーズンMVPは4度。北京、ロンドン両五輪で金メダルを獲得。2メートル3、113キロ。今季年俸は1755万ドル(約17億2000万円)

 ≪MVP複数回受賞は3人目≫第7戦は18回目だがホームチームが15勝3敗。2勝3敗からの逆転は85年以降の現行システムでは、88年と10年のレイカーズと94年ロケッツに続いて4度目。“ダブル”MVPを複数回受賞したのはジョーダン(ブルズ=4回)とバード(セルティクス=2回)に次いでジェームズで3人目となる。

 ≪地元は大喜び≫連覇が決まるとアリーナ周辺では数千人が歓喜。Repeatに引っかけて「Re―Heat」という見出しが掲げられた号外が配られ、道路にある信号に、興奮したファンがよじ登って絶叫を繰り返した。マイアミ市内は深夜まで車のクラクションが鳴り響き、昨年以上の盛り上がりだった。

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2013年6月22日のニュース