「石松対決」は明暗くっきり 松山 完璧2位発進 遼は最下位スタート

[ 2013年6月21日 06:00 ]

初日のラウンドを終え握手する石川遼(左)と松山英樹

日本ツアー選手権宍戸第1日

(6月20日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7402ヤード、パー72)
 プロになって初めての「石松対決」は明暗がくっきりと分かれた。松山英樹(21=東北福祉大)は、2番でイーグルを奪うなど序盤で勢いに乗り5アンダー、67をマークし首位と2打差の2位につけた。一方、同組で回った今季国内初戦の石川遼(21=CASIO)は、OBによるダブルボギーが2回、3パットのボギーが2回と大乱調で8オーバーの80、124位の最下位スタートとなった。趙ミンギュ(24=韓国)が7アンダー、65で首位に立った。

 ギャラリーやメディアの大きな注目、そして太平洋をまたぐ2連戦の疲れも時差ぼけも、怪物ルーキーにとってはハンデにすらならなかった。国内敵なしの戦績そのままに、松山が2打差の2位と好発進した。

 「1番も2番も完璧なショットが打てた。その中で、バーディー、イーグルという、これ以上ないスタートを切れて良かったです」

 自己採点が厳しい21歳が自画自賛した立ち上がりだった。1番で第1打を310ヤード飛ばし、7メートルを沈めバーディー。2番では残り230ヤードの第2打を3Iでピン横1・5メートルにつける会心のショットを見せ、楽々とイーグルを奪った。

 「完璧」という言葉が表すように、この2ホールの第1打は、打った後にボールの行方を追っていない。それほどの手応えで、開始2ホールで3つも伸ばした。かたや石川は2番でOBを打ってダブルボギー。早々とライバルに5打差をつけると、安定したショットでボギーは3パットした13番の1つだけに抑えた。「ショットは(10位に入った)全米オープンの最終日からいい状態」。2日前の18日に米国から帰国したばかりだったが「(コースを)知らない分、OB(ゾーン)が気にならなかった」。2週間前に1度回っただけというラウンドの少なさを、むしろプラスに考える余裕もあった。

 プロ転向後初の石川との同組ラウンド。午前9時39分のスタート時には、既にティーグラウンドの周りからグリーンまで、ぎっしりとギャラリーが埋まっていた。「全米オープンの最終日ぐらいの雰囲気でビックリした」と言いながらも、言葉とは裏腹にプレー態度は落ち着き払っていた。1番のティーグラウンドで石川と握手を交わし、4番では「どんなのを使っているか気になった」とクラブを手渡してもらいチェックする場面もあった。

 同学年のライバルのプレーについては「あまり見ていなかった」と話し、対照的なスタートとなったことを「(石川の)調子が悪かったのかなと思う」と振り返った。

 今後何度も訪れるであろう“石松”直接対決の第1幕は、現在の勢いの差がそのまま出る結果となった。

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