レスリング一番乗りで残った!吉田ガッツポーズ

[ 2013年5月30日 06:00 ]

IOC理事会でレスリングが最終候補に選ばれ、日本レスリング協会の福田会長(左)と喜ぶ吉田

 五輪生き残りへ、第1関門を突破した。国際オリンピック委員会(IOC)は29日、理事会を開き、20年夏季五輪で実施する残り1競技について審議。2月のIOC理事会で実施競技から外れたレスリングは14人による1回目の投票で8票を獲得して最初に通過。野球・ソフトボール、スカッシュとともに最終候補に残った。最終決定される9月のIOC総会(アルゼンチン・ブエノスアイレス)で、奇跡の大逆転を目指す。

 レスリング界の執念が、第1関門をこじ開けた。真っ先にレスリングが発表された瞬間、関係者全員が立ち上がって、ガッツポーズで喜びを分かち合った。女子55キロ級で五輪3連覇の吉田沙保里(30=ALSOK)も「ひとまず良かった。うれしいです」と安どの笑みを浮かべた。

 会場入りしていた吉田は、前日(28日)、五輪の金メダル3個を首から掛けて、ロビー活動を行った。「全て出し切った感じがする。別に緊張なんてしませんよ。絶対に(五輪に)残るって思い込んでいるからかな」。中華料理店ではIOC理事の呉経国氏(台湾)との接触に成功し、英語で五輪存続を熱く訴えた。その努力が実を結んだ。

 衝撃のニュースから約3カ月。レスリング界はあらゆる手を打ってきた。1ピリオド(P)2分の3P制から、1P3分の計2Pで合計ポイントを争う方式に変更。女性委員会と新たな選手委員会を正式に発足させ、IOCに指摘された組織面の欠点を改善。ロゲ会長も「きちんと対応した」と努力を認めていた。

 2月の理事会の決定は、IOC内部でも批判が渦巻いていた。ベテランのIOC委員は「レスリングを外したことは大きな間違いだった」とし、「IOCの信頼は地に落ちた」と指摘。伝統競技の除外を理事会だけで決めたことによる反発が、レスリングには追い風になっていた。

 正式決定は9月7日からアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われるIOC総会。投票するのは100人のIOC委員だ。福田富昭・日本協会会長は「ひと安心。ここは通過点。今度(9月)は決勝戦です」と力を込めた。最終決戦まで、あと101日。大逆転を目指すアタックは終わらない。

 【レスリング問題経過】
 ☆13年2月12日 IOCがスイス・ローザンヌで開いた理事会で、レスリングを五輪での実施が確定する「中核競技」25競技から除外することを決めた。

 ☆13日 日本レスリング協会の福田富昭会長が都内で緊急会見。同席したロンドン五輪金メダリスト米満達弘は「できることがあるのなら、僕は何でもする」と訴えた。

 ☆16日 国際レスリング連盟(FILA)は男子グレコローマンスタイル12大会連続世界一で「霊長類最強」と呼ばれたアレクサンドル・カレリン氏(ロシア)を特命の指名理事に迎えた。 

 ☆3月20日 日本レスリング協会が5月のIOC理事会に吉田沙保里を派遣することを決めた。

 ☆5月18日 FILAはモスクワで臨時総会を開き、最低1人の女性副会長を置くことを憲章で定め、競技の公正さを欠くと不評だった抽選による攻撃決定権を廃止するなど改革策を決めた。ルールは1P2分の3P制から1P3分の計2Pで合計ポイントを争う方式に変更。

 ☆24日 「レスリングを五輪競技に復帰させる会」は東京・味の素トレセンから94万268人の署名をスイスのFILAに発送した。

 ☆28日 吉田沙保里が29日のIOC理事会を前に、国際会議「スポーツアコード」の会場でロビー活動。

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