白鵬 10度目の全勝V!朝青龍に並ぶ25度目賜杯

[ 2013年5月27日 06:00 ]

優勝し放送作家の鈴木おさむ氏(前列左)ら関係者と喜ぶ白鵬(中央)

大相撲夏場所 千秋楽

(5月26日 両国国技館)
 横綱・白鵬が日馬富士を寄り切り、2場所連続で全勝優勝。朝青龍に並ぶ史上3位タイの25回目の優勝となった。全勝優勝も10回目で、自身が持つ最多記録を更新した。白鵬は優勝を争った大関・稀勢の里にもエールを送り、早くも来場所の決戦ムードを盛り上げた。稀勢の里は大関・琴奨菊に電車道で寄り倒され、13勝2敗の好成績ながら来場所の綱獲りは微妙な状況となった。

 目の前で1差の稀勢の里が琴奨菊に寄り倒され、取組前に白鵬の11年秋場所以来となる東京場所の優勝が確定した。それは油断につながらなかった。逆に余分な力が抜け「楽に取れた」という。日馬富士を鋭い踏み込みから一方的に寄り切り、2場所連続、通算10回目の全勝優勝を飾った。

 優勝回数は朝青龍に並ぶ25度目。歴代3位タイで、外国出身最多タイ。「今年の目標だった」という数字を早くもクリアした。しかし、優勝インタビューでは「久しぶりの江戸で優勝して大変うれしいです」と控えめ。むしろ声に力がこもったのは、満員札止めのファンに放たれた稀勢の里へのエールだった。

 「精神的、肉体的に大きく成長しました。来場所は綱獲り場所になると思うので、みなさん応援してやってください」

 13日目まで全勝で並走するなど、自分を最も苦しめた大関へこれほどの賛辞はない。支度部屋でも再度、「稀勢の里と私が(場所を)引っ張ったのは事実」と強調した。

 紗代子夫人(29)の言葉がそれを裏付ける。後半戦、稀勢の里との一騎打ちの様相を帯びてくると、夫の様子がいつもと違ってきた。「横綱は自分の取組はビデオで確認しますが、普段は他の人の取組を見ません。今場所は、稀勢の里関のビデオを見ていました」と明かした。14日目の全勝対決に懸ける強い気持ちがあった証拠だ。

 久々に研究に値する相手が出現した。10年九州場所で連勝を63で止められたのも稀勢の里だった。「この経験を来場所に生かしてほしい」と付け加えたのは“目覚めるのが遅い”という思いがあったに違いない。

 この日の白星で30連勝は4度目になった。これは大鵬に並んで昭和以降1位。名古屋場所では自身2度目となる3場所連続全勝優勝に挑む。快挙に挑む白鵬の目には、すでに今場所の悔しさをぶつけてくる大関の姿が浮かんでいる。

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