全柔連70代理事がわいせつ行為 女子選手告発、溝口紀子氏明かす

[ 2013年5月23日 19:05 ]

 全日本柔道連盟(全柔連)の現職理事にわいせつな行為をされたとする女子選手から相談を受けたと、1992年バルセロナ五輪銀メダリストの溝口紀子氏が23日、明らかにした。スポーツ界の暴力根絶に向けた東京都内でのシンポジウムの席で言及した。

 全柔連の宇野博昌広報委員長は「実態を把握するために調査を始めている。詳しいことは分かっていない。本当ならば厳正に対処したい」と話した。

 全国大会に出場するレベルのこの選手は13日に溝口氏に連絡し、21日に境田正樹弁護士が本人と面談した。今後、理事の辞任を求める方針という。同弁護士によると、選手は30代、理事は70代。2011年12月に東京都内の地下鉄のエレベーターで無理やり抱きついたり、キスを迫ったりする行為があり、選手はトイレに逃げ込み、友人に助けを求めて交番に駆け込んだという。被害届は出さなかった。

 溝口氏によると、問題解決を全柔連の一部役員にも訴えたが、動きは鈍かったという。同氏はトップ選手15人による暴力指導問題に続く「16人目の告発」と位置付け、「刑事事件になってもおかしくない」と述べた。全柔連でセクハラ根絶の責任者になった北田典子氏に報告したことも明らかにした。

 全柔連では暴力指導問題や助成金の不正受給など不祥事が相次ぎ、五輪金メダリストの内柴正人被告が教え子の大学女子柔道部員に乱暴したとして準強姦罪に問われる事件も起こっている。

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2013年5月23日のニュース