日馬もう2敗目で師匠激怒「勘違いしやがって」

[ 2013年5月17日 06:00 ]

かたすかしで栃煌山に敗れた日馬富士は痛恨の表情で土俵をおりる

大相撲夏場所5日目

(5月16日 両国国技館)
 横綱・日馬富士が小結・栃煌山にあっけなく敗れ、早くも2敗となった。この日は横綱審議委員会の本場所総見だったが目の前で醜態をさらした。5日目時点の3勝2敗は9勝止まりだった先場所と同じで、横審メンバーや師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)から厳しい声が浴びせられた。初日から続いていた大関陣の安泰も崩れ、全勝は横綱・白鵬、稀勢の里、鶴竜の両大関、平幕・碧山の4人となった。

 先場所に続き、日馬富士が序盤から窮地に立たされた。素早く左を差したが、栃煌山に巻き替えられもろ差しを許すと、もうどちらが横綱か分からない。苦し紛れの首投げも不発。相手の肩透かしに前のめりに倒れた。

 「負けは負け。これからですから頑張ります」。支度部屋では強がってみせたが、もろ差しは栃煌山の十八番。それを分かっていながら相手十分にさせただけに、ショックの色は隠せなかった。

 5日目までの2敗は9勝6敗に終わった先場所と同じで、2場所連続の1桁勝ち星ペース。本場所総見を行った横審の高村正彦氏(自民党副総裁)は「横綱は10勝はしてほしい。でも、一般論としてはそれ以上。大関だって9勝6敗だと“クンロク”と(軽蔑を込めて)呼ばれるんだから」と強調。ハードルを限界まで下げても2桁勝利が綱の責務という見解を示した。だが、09年初場所の大関昇進以降、序盤で2敗以上した過去12場所で2桁に達したのは10勝が2度あるだけ。極めて厳しい状況だ。

 師匠の伊勢ケ浜親方もブチ切れた。「やっぱり頭をつけないとダメ。体重がちょっと増えたくらいで勘違いしやがって!」と自己最重量の134キロを過信したかのような内容をバッサリ。両足首に不安を抱えていることにも「上位に2敗しているわけじゃない。集中力を欠いている。横綱だから稽古不足で負けました、ではダメ」とかばうそぶりは全くない。

 横綱の2場所連続1桁止まりは1987年名古屋場所、秋場所の双羽黒が最後。日馬富士が先場所同様の失態を繰り返せば、場所後の進退問題再燃は避けられない。

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2013年5月17日のニュース