16歳の天才アマ、リディア・コ 5差8位に浮上

[ 2013年5月11日 06:00 ]

第2日、13番でキャディーを務める母・ヒョン・ボンスクさん(左)とラインを読むリディア・コ

女子ゴルフツアー・ワールド・レディース・サロンパスカップ第2日

(5月10日 茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部西コース=6669ヤード、パー72)
 16歳のアマチュア、リディア・コ(ニュージーランド)は3バーディー、1ボギーの70をマークし、首位と5打差の8位に浮上した。12年のオーストラリアツアーで14歳9カ月の世界最年少優勝を記録した天才アマは、初来日でもキャディーを務める母・ティナさんとの“タッグ”で実力を示した。69で回った藤田幸希(27=フリー)が通算7アンダーで首位をキープした。
【第2R成績】

 漫画「Dr.スランプ」のアラレちゃんを思わせる眼鏡姿の16歳。だが、クラブを握れば天才へと変わる。コは安定したフェードボールから前半をノーボギーの36で折り返すと、後半にパットが決まりだして3バーディー。1ボギーもあったが70で回り、19位から8位に浮上した。「初日よりプレーは全体的に良かった」と笑顔を見せた。

 2日間の平均飛距離は255・25ヤードで大会34位。飛ばし屋ではないが、苦手クラブがなくオールラウンドな能力を誇る。象徴は12番だ。ティーショットを曲げて林の中に打ち込んだが、巧みなリカバリーショットでグリーンオン。ピンチのはずがバーディーを奪ってみせた。母の勧めで5歳からクラブを握ると、家族は将来性を感じ1年後の03年に韓国からニュージーランドに移住。ゴルフ環境が整った同国で力をつけて、12年に全米女子アマで優勝し、オーストラリアツアーで最年少優勝を飾った。さらに、同年の米ツアーでプロを押しのけて優勝すると、今季もニュージーランドツアーで1勝。現在のハンディキャップはなんとプラス6・3だ。

 “個の力”だけではない。コの活躍に母のサポートは欠かせない。キャディーを務める母の指示でターゲットを決めると迷わずアドレスに入る。「悪いプレーもあれば良いプレーもある。落ち着いていきなさい」という助言を受け順調にスコアを伸ばした。寿司やそばなど和食が好物。「日本はきれいで暖かくて素晴らしい。近所に来た感じ」とリラックスできているのも好調の要因だ。

 勝てば16歳18日で、日本女子ツアー最年少記録になる。「あしたは、もっとバーディーを取りたい」。大きな眼鏡の奥には首位・藤田の姿がしっかりと映っている。

 ≪Vなら国内ツアー史上最年少≫コが16歳18日(最終日の12日時点)で優勝すれば、12年のサントリー・レディースで優勝した韓国の金孝周の16歳332日を抜いて国内ツアー史上最年少優勝の記録となる。歴代2位は18歳101日でミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンを優勝した宮里藍。

 ◆リディア・コ 1997年4月24日、韓国生まれの16歳。6歳でニュージーランドに移住。12年のオーストラリアツアー、ニューサウス・ウェールズ女子オープンで14歳9カ月5日でプロ大会世界最年少優勝。同年のカナダ女子オープンを15歳4カ月2日で制し、米ツアー最年少優勝記録を更新した。今季はニュージーランドツアーのニュージランド女子オープンで勝ち、プロツアー3勝。米ツアー72勝を挙げたアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が目標。1メートル65。

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