“和製ボルト”飯塚 200メートルで今季世界最高

[ 2013年5月4日 06:00 ]

優勝した飯塚(右)と4位の高瀬

静岡国際

(5月3日 静岡スタジアム)
 また短距離で好記録だ。男子200メートルで10年世界ジュニア選手権金メダリストの飯塚翔太(21=中大)が、日本歴代3位、今季世界最高の20秒21で優勝した。自己記録を一気に0秒24も更新し、8月の世界選手権(モスクワ)の参加標準記録A(20秒52)、日本陸連が定める派遣設定記録(20秒29)も突破。4月29日の織田記念国際男子100メートルでは、桐生祥秀(17=洛南高)が10秒01と激走。同大会で桐生に完敗した21歳が、得意の200メートルで意地を見せた。

 日本のスプリンターの勢いが止まらない。桐生が100メートルで今季世界最高の10秒01をマークしてから、わずか4日後。今度は200メートルで今季世界最高が生まれた。号砲からスムーズに加速した飯塚が、ライバルを突き放してフィニッシュ。20秒21は日本歴代3位の好タイムだ。ゴール後、左拳を力強く突き上げた21歳は「気持ちいい~」と充実の汗を拭った。

 織田記念で桐生と激突した飯塚は、予選で自己ベストの10秒28をマークしながら年下に完敗を喫した。「インパクトはでかかった。凄く悔しかった」。決勝は10秒39で7位とタイムを落とし、レース後は日本陸連の伊東浩司男子短距離部長が「自信をなくしていた」と心配するほどの状態。高校生にぶっちぎられたショックを振り切って立った、地元・静岡のスタートライン。「いろんな人が応援してくれている中で優勝できてうれしい」と笑みを浮かべた。

 10年の世界ジュニア選手権の200メートルで金メダルを獲得し、ジュニア時代に同種目を主戦場にしていたウサイン・ボルト(ジャマイカ)に重ねるように“和製ボルト”と称される。昨年はロンドン五輪に出場したが予選落ち。夢舞台の屈辱を胸に冬季練習は海外に飛び出した。気候の温暖なオーストラリアなどで合宿し「12月でも日焼けで真っ黒でした」と振り返る。桐生という年下のスプリンターと順調な練習が「殻を破れた」という結果につながった。

 20秒21は世界選手権でも決勝進出を狙えるタイムだが、目指すレベルはもっと上だ。「(桐生に)9秒台を先に出されたら普通になっちゃうんで、先に19秒台を出せるようにしたい」。日本短距離界を引っ張るのは17歳のワンダーボーイだけじゃない。200メートルの主役は“和製ボルト”だ。

 ◆飯塚 翔太(いいづか・しょうた)1991年(平3)6月25日、静岡・御前崎市出身の21歳。中学1年時から全国大会の100メートルで優勝するなど頭角を現し、10年7月の世界ジュニア選手権男子200メートルを20秒67で制し、日本男子初の金メダルを獲得。100メートルの自己ベストは10秒28、200メートルは20秒21。1メートル84、82キロ。

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