神鋼・山中 笑顔の再出発「ワイルドに見えるかと…若かったなあ」

[ 2013年5月3日 11:16 ]

神戸製鋼に再入部し初練習する山中

 ドーピング違反で国際ラグビーボードから2年間の資格停止処分を科されていたラグビー、トップリーグ神戸製鋼のSO山中亮平(24)が2日、神戸市内で行われた練習に再入部後初めて参加した。2年間のブランクがある一方、トレーニングジムで体を鍛えパワーアップ。「若かった」と過去を猛省した元日本代表が再出発する。

 久しぶりの感覚に山中の顔から自然と笑みがこぼれた。パスしたり、走ったりの軽い練習とはいえ、仲間と楕円(だえん)球にたわむれるのは2年ぶり。「2年間やっていなかったのでちょっと緊張したけど、楽しくできました」。約1時間半の練習ですがすがしい汗を流した。

 ドーピング検査で陽性反応を示した一昨年4月から、裁定が下るまでの約4カ月。「ショックでどうしようかと思った」と体重も80キロ台にまで減った。だが周囲の励ましを受け、社業に専念するうちに「復帰を目指してがんばろう」と前向きな気持ちを取り戻した。

 国際ラグビーボードによりラグビー活動に携わることを禁止されたため、神戸製鋼ラグビー部の施設を使用できないのはもちろん、高校や大学の母校にも行けなかった。家でボールを触ることしかできないため個人的にトレーニングジムを契約。96キロにまで増やした。口ひげを伸ばしたくて育毛剤に手を出したことも「ワイルドに見えるかなと思ったんです。若かったなあ。もう今は必要ありません」と反省。身も心も大きく成長した。

 この日もボールを何度か落とすなどブランクは隠せない。それでも大学4年生でさくらのジャージーを着た逸材は「この先結果を残せばこの2年間は役立ったと言えると思う。開幕戦に照準を合わせたいので春が勝負」と自分に言い聞かせた。期待のルーキーがようやくスタートラインに立った。

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2013年5月3日のニュース