猪瀬氏が失言 イスタンブール批判?IOCが注意喚起

[ 2013年4月30日 06:00 ]

東京都の猪瀬直樹知事

 2020年夏季五輪招致を目指す東京都の猪瀬直樹知事が、米紙とのインタビューでライバルのイスタンブール(トルコ)を批判したと疑われる発言をし、国際オリンピック委員会(IOC)が招致都市に注意喚起する事態となったことが29日、分かった。イスラム教国に対して「互いにいがみ合っており、階級がある」などと批判したとされ、イスラム圏の反発は必至。開催候補地の首長が自らの発言で招致を窮地に追い込んだ格好だ。

 猪瀬知事は27日付ニューヨーク・タイムズ紙で「選手にとって一番いい開催場所」について言及。次期開催国を例に「ブラジルのような初めて五輪を開催するにはいい場所でしょう」と述べ、「でもイスラム教国が共有するのはアラー(神)だけで、互いにけんかしており、階級がある」などと発言した。同紙はライバル候補地のイスタンブールを批判した発言とみている。

 記事中で、知事は日本社会の高齢化に関連して「トルコの人々も長生きしたいなら、日本でわれわれが持つような文化をつくるべきだ。若者が多くても、若いうちに死んだらあまり意味がない」とも語った。

 IOCは倫理規定で他都市を批判したり、比較したりすることを禁じている。IOCは声明で「翻訳では知事が何を意図したか全部は明確でないが、すべての候補都市に招致プロセスに関する規定に留意するよう求める」との方針を示した。

 猪瀬知事は今月14~18日、地下鉄などの視察のためニューヨークを訪問。この期間のインタビューとみられる。共同電によると、インタビューは通訳を介して行われた。

 東京都は29日、「真意が正しく伝わっていない。他の立候補都市を批判する意図は全くない」とする猪瀬知事のコメントを発表した。東京招致委員会の鈴木徳昭戦略広報部長は「こうした記事が出てしまったことは非常に残念。われわれとしては規則にのっとり今後も優劣の比較やネガティブキャンペーンがないように細心の注意を払い、相手をリスペクトしてやっていく」と述べた。

 猪瀬知事は五輪招致に向け積極的に活動し、1月には前回開催地のロンドンを視察。3月のIOC評価委員会による候補都市視察では、自らテニスラケットを握り、プレゼンテーションでも安倍晋三首相、トヨタ自動車の張富士夫会長に後押しを確約させるなど“政財界一体”を印象づけた。20年五輪招致はマドリードを加えた3都市が争い、開催都市は9月7日のIOC総会(ブエノスアイレス)で決まる。

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