川内「雪は相性がいい」長野マラソン日本人初優勝

[ 2013年4月22日 06:00 ]

雪が降る中、先頭を走る川内優輝

長野マラソン

(4月21日 長野運動公園~南長野運動公園の42・195キロ)
 優輝が雪を切り裂いた。8月の陸上・世界選手権(モスクワ)の男子マラソン代表入りが決定的な川内優輝(26=埼玉県庁)が、2時間14分27秒で日本人初優勝を飾った。長野地方気象台によると1961年の統計開始以降、史上最も遅い積雪となった長野市内。厳しいコンディションの中、底力を見せた公務員の最強市民ランナーは、モスクワでも悪コンディションを期待した。

 男子マラソン界で最も熱い男が、雪をも溶かす激走だ。季節外れの積雪なんて関係ない。海外選手がビニールのかっぱをユニホームの上にかぶって走る中、川内の防寒対策は2枚重ねの手袋と帽子のみ。その帽子も、水分を含んで重くなったため30キロ過ぎに投げ捨てた。両太腿はけいれん寸前だったが、40キロ手前のスパートでロシア選手を振り切ってフィニッシュ。「日本人が勝ったことのないレースで勝ててうれしい!」と会心の笑みを浮かべた。

 10年の東京マラソン。冷たい雨と雪の中での42・195キロが、川内の出世レースだ。当時はまだ無名で、もちろん招待選手ではなかったが、自己ベストを一気に4分57秒も縮めて4位。2時間8分37秒で走った11年大会での大ブレークにつなげた。「雪はボクにとって相性がいい。こういうコンディションはテンションが上がる」。寒さに強い理由は「新陳代謝が良くて、熱生産の能力が高いんじゃないでしょうか」と自己分析。レースぶりだけでなく、川内は体の芯から熱い。

 世界選手権の代表発表は25日で、川内が選ばれるのは確実。アフリカ勢にスピードで劣る日本人ランナーには、粘りが生きる酷暑のレースが有利とされるが、川内の考えは逆だ。「寒い方が、アフリカ勢は動けない」――。大舞台の開催地・モスクワの8月の平均最低気温は12度だ。まさか雪は降らないだろうが、「気温がめちゃくちゃ下がったら、日本人に有利なんですけどねえ」と悪コンディションに期待。寒くなればなるほど、川内の走りは熱を帯びていく。

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