松山 怪物デビュー!ピンチも冷静、プロ初日1差4位の好発進

[ 2013年4月19日 06:00 ]

松山は最終9番をバーディーで締めギャラリーの声援に応える

男子ゴルフツアー東建ホームメイト・カップ第1日

(4月18日 三重県桑名市 東建多度カントリークラブ名古屋=7081ヤード、パー71)
 男子ゴルフの国内開催が開幕し、プロデビュー戦の松山英樹(21=東北福祉大)が6バーディー、2ボギーの67で首位と1打差の4位と好発進。スタートの10番で第1打を左に大きく曲げるピンチも、草むらから好リカバリーを見せてパーセーブ。ティーショットが不安定ながらも手堅くスコアをまとめ、3843人の前で底知れぬ怪物ぶりを見せつけた。
【第1R成績】

 午後0時40分、最初のホールとなった10番のティーグラウンドで、松山の視界に飛び込んできたのは埋め尽くされたギャラリーだった。グリーン近くまでびっしりの約3000人。さらにカメラマン、取材クルーら30人以上に見守られては、さすがの大物ルーキーも体が硬直した。注目のファーストショット。振り終えた瞬間、松山は思わず目を閉じた。

 第1打を左に大きく曲げると、ボールは草むらの中。ピンを狙えないどころか、ボールすら見えない。アンプレアブルも頭をよぎったが、ここからが真骨頂だった。AWを手にし「見えてないけど、いいや」と空振り覚悟で打ち、真横に出すことに成功。残り125ヤード、AWでの第3打はピンの右1メートルに付け、これを沈めてパーセーブ。安どの笑みとともに、肩の力が抜けた。

 一緒に回るのは昨年の賞金王、藤田寛之(43=葛城GC)とツアー10勝の池田勇太(27=日清食品)。そんな実力者を前にしても松山は怪物ぶりを発揮した。不安定なティーショットは「曲がり過ぎてて、逆に“しゃあない”と開き直った」と切り替え、アウト(1~9番)ではリズムを取り戻した。最終9番では6メートルを沈めてバーディー締め。右手を上げ、観衆に応えた。

 準備は万端だった。テレビ局のインタビューなどは「ゴルフに集中させるため、(10日の)名古屋入り前に全て済ませた」と所属する東北福祉大の阿部監督。10日からは現地入りし、4ラウンド以上を消化した。アマ時代は国内ツアー全22試合中1ケタ順位での発進は10年日本オープン(初日68で4位)の1度だけだったが、それ以来の好発進。石川遼の国内デビュー戦でも一緒に回った藤田も「遼はストレートボールで曲がらない印象だった。松山は相変わらず素晴らしい。ダイナミックなゴルフをしている。ボールが止まる(高い弾道)。自分もああいうゴルフがしたいなあ」と舌をまいた。

 緊張のデビュー戦。この日朝は予定通りに過ごしているつもりでもスタート前の練習、食事などで気が付けば時間を余していたという。それでも学生プロらしく、衣装は上から下まで白でそろえ、左胸には東北福祉大学のロゴ。あくまで普段着を貫いた。79年の重信秀人以来2人目のツアーデビュー戦Vの期待がかかるなか、「簡単に真っすぐ飛ぶとは思えない。ボチボチいきます」と笑った。報道陣をいなすコメントは大物感が漂っている。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月19日のニュース