遼 初日は1アンダー 後半ダボ叩くも直後に連続バーディー

[ 2013年4月12日 06:00 ]

2番でバーディーを奪い、声援に応える石川遼

マスターズ第1日

(4月11日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 今季のメジャー第1戦が開幕した。5年連続5度目の出場となる世界ランク115位の石川遼(21=CASIO)は、同3位のジャスティン・ローズ(32=英国)、同5位のブラント・スネデカー(32=米国)と同組でスタート。2年ぶり2度目の予選通過を狙う石川は1番でボギーを叩いたが、2、5、8番でバーディーを奪い、前半9ホールを終えて2アンダーとした。後半に入ると10番でボギー、14番ではダブルボギーとしたが、15、16番で連続バーディーを奪い、立て直した。

 石川の5度目のオーガスタはトラブルで始まった。1番パー4。ティーショットで3Wを握ったが、右の林方向へ。松葉の上からの第2打は前方の枝に当たってグリーンに20ヤード届かず。左奥のピンを狙ったアプローチも手前2・5メートルに止まる。パーパットは左に外れ、ボギー発進となった。

 しかし、2番パー5で取り返す。第1打をドローでフェアウエーに運ぶと、残り220ヤードから3Iで打った第2打は、グリーン手前に。ピンまで35ヤードの第3打は4メートルオーバーしたが、下りのフックラインを沈めて初バーディーを奪った。

 3、4番をパーで終えてリズムをつかむと、5番パー4はフェアウエーからの第2打をピン左6メートルにつけてバーディー。8番パー5はピン奥6メートルに2オンして3つ目のバーディーをマーク。前半9ホールを34で終えた。アウトの34は11年の第1日、第3日に続いて3度目となる自己ベストだ。

 「スイングは全体的に良くなっている。自分では落ち着いているつもりでも、体はどんどん切れているという感じ」と好感触を手に臨んでいた。

 スタート前には入念に準備した。グリーンではライン上に糸を張ってボールの軌道を確認。クローズ気味だったスタンスをオープンに構え、ボールを押し出さないよう注意しながら約30分パットを繰り返した。その後、ウエッジから1Wまで約30分かけて調整した。

 前夜、予期せぬ出来事があった。宿舎から車で5分ほどの場所で火災が発生。消防車のサイレンなどで周辺は騒がしくなった。現場で確認したスタッフによると、民家が全焼したという。宿舎への影響はなかったが、石川も心配していた。それでも一夜明けたこの日はゴルフに集中していた。

 米ツアーに本格参戦した今季ここまで9試合に出場し予選通過はわずか3試合。世界ランクは115位まで落ちた。マスターズ出場権も3度目の特別招待という異例の形で得た。周囲の見る目も冷ややかだが、闘志がなえることはなかった。

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