蒼国来関 異例の復帰へ 相撲協会が控訴断念

[ 2013年4月3日 14:20 ]

 日本相撲協会は3日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、大相撲八百長問題をめぐり解雇無効の判決が出た幕内蒼国来関(29)=本名恩和図布新、中国出身=の地位確認訴訟について控訴しないことを満場一致で決め、裁判を経た極めて異例の復帰を確認した。

 勝訴確定の蒼国来関は師匠の荒汐親方(元小結大豊)とともに相撲協会を訪れ、北の湖理事長(元横綱)から謝罪された。5月の夏場所での復帰を見送り、名古屋場所(7月7日初日・愛知県体育館)に、最後にしこ名が残った西前頭15枚目で戻ることで合意した。

 国技館近くのホテルで記者会見した蒼国来関は「あしたからまわしを着けたい」と語り、4日に荒汐部屋で朝稽古を再開する意向を示した。協会公式行事への参加は27日の横綱審議委員会による夏場所稽古総見からとなる。

 外部理事の宗像紀夫危機管理委員長(元東京地検特捜部長)によると、八百長問題を担当した協会の特別調査委員会の調査内容では証拠に乏しく、控訴審で逆転できる見込みがないと判断した。

 今後は危機管理委の調査部会で特別調査委の手法などを検証し、原因究明や再発防止を図る。八百長問題で角界を追われた他の元力士らの申し出があれば、当該者の再調査を検討する可能性も示した。

 2年前の蒼国来関の解雇処分と、荒汐親方の降格処分を取り消した。

 ▼蒼国来関の話 もう一度、大好きな相撲を取れることを心から喜んでいる。早く取りたい気持ちでいっぱい。支えてくれた人たちに恩返しできるような相撲を取りたい。あしたからまわしを着けたい。

 ▼荒汐親方(元小結大豊)の話 2年間、ここまでやってきてよかった。一刻も一日も早く前の生活に戻して、稽古に精進させてやりたい。つらい日も多々あった。配慮してくださった北の湖理事長に感謝している。

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2013年4月3日のニュース