柔道不祥事で証人喚問も! 評議員「内閣の友人が…」

[ 2013年3月27日 06:00 ]

評議員会を終え、引き揚げる了徳寺大学の了徳寺健二理事長

 柔道界を揺るがす一連の不祥事が国会にも波及する可能性が出てきた。全日本柔道連盟(全柔連)の臨時理事会と評議員会が26日、東京都文京区の講道館で行われた。各都道府県の代表者ら58人が出席した評議員会では、全柔連幹部への不満が噴出。出席した評議員の発言から、この問題に関する証人喚問が国会議員の間で取り沙汰されているとの情報まで浮上した。

 危機感が感じられない全柔連上層部に対し、千葉県柔道連盟会長の了徳寺健二氏が業を煮やしたように声を上げた。不祥事に対する十分な謝罪と説明がないことに不満を示し「本当に全柔連を憂えて心配している。もう勘弁してほしいとみんな思っている」と訴えた。

 了徳寺氏はロンドン五輪代表に平岡拓晃、福見友子を送り出した了徳寺学園の理事長。「今回の内閣には私の長年の友人が2人入っている。(会話の中で)証人喚問という言葉も出てきた」と衝撃的な事実を明かし「本当に証人喚問が発生した時に、きょうのような受け答えで対応できるのか」と苦言を呈した。

 大相撲の八百長問題や薬物問題で、相撲協会理事長の参考人招致が取り沙汰されたことはあったが、結局実現はしなかった。虚偽証言などが刑罰の対象となる証人喚問は参考人招致以上に重い。実現すれば極めて異例。了徳寺氏は会合後に「そういう動き(証人喚問)も出るのではなかろうかということだった」とあらためて説明した。

 元農林水産副大臣の常田享詳氏が「新しい体制で改革に取り組んでいかなければ改革は難しい」と会長交代を訴えるなど評議員の思いはどれも痛切だった。上村会長は「真摯(しんし)に受け止めてやっていきたい」と神妙に答えたが、司会者は「では先生方、議事を進めたいと思いますがよろしいでしょうか」と話題を変えてしまうなど、その声が上層部まで届いたのかどうか。

 了徳寺氏は「上村会長とは長い付き合いだから“分かったよ”と目で合図してくれたよ」と思いは伝わったと解釈しているが、信頼が裏切られるようなことになれば事態はさらなる悪化を招く。

 ▽証人喚問 衆参両議院が、国政調査権に基づき、国政に関する重要な事柄について証人を呼び出し、証言・記録の提出を求めること。参考人招致とは異なり、正当な理由なく出頭や証言・記録の提出を拒否した場合、禁錮または罰金が科される。また、偽の証言をすると、偽証罪に問われることもある。

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