全柔連の助成金問題 現職理事が不正受給認める

[ 2013年3月22日 23:36 ]

 全日本柔道連盟(全柔連)の現職理事(55)が22日、指導者を対象とした日本スポーツ振興センター(JSC)の助成金を指導の実体がないにもかかわらず受け取っていたことを認めた。同理事は全柔連の事務局から指南を受けてJSCに虚偽の活動報告書を出していたと明言。「内部告発できなかった私に責任がある」と語り、助成金の全額をJSCに返還し、理事を辞任する考えを示した。

 JSCは同日、こうした理事がいるとの疑いについて、全柔連の上村春樹会長に第三者を交えた調査を指示した。上村会長は文部科学省からも「不正受給疑惑とガバナンスの改善を図るための第三者委員会」の設置を求められたことを明かした。

 JSCへ説明に訪れた上村会長は「不正かどうかの調査は(全柔連の)監事を中心に、第三者にもお願いして早急に解明したい」と述べた。全柔連強化委員会が、助成金を受けている指導者から金銭を徴収して海外遠征での飲食費などに充てていた問題と合わせて調べる。

 JSCの藤原誠理事は「大至急で調査をやってもらいたいと伝えた。仮に不正受給ということになれば(個人には)返還を求めるし、競技団体にもペナルティーを科す」と述べ、JSCの他の助成金を支給停止とする可能性も示唆した。

 この理事は2010年に強化委員に就任。全柔連から岐阜県の女性選手を指導するよう指示があったが、東京在住でこの選手とは面識がなかった。3カ月ごとに30万円の助成金を受け取り、このうち10万円を全柔連の強化委員会に納めていたという。

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2013年3月22日のニュース