白鵬、24度目V見えた!左耳に膿も…稀勢を豪快裏返し

[ 2013年3月22日 06:00 ]

稀勢の里(左)上手投げで破った白鵬

大相撲春場所12日目

(3月21日 ボディメーカーコロシアム)
 横綱・白鵬は大関・稀勢の里を豪快な上手投げで退けて全勝を守った。左耳に膿(うみ)がたまる症状が出て、稽古を休むなど体調は万全ではないが、危なげない相撲で幕内通算勝利数を歴代9位の647に伸ばした。ただ一人、2敗で追う平幕の隠岐の海も、碧山を寄り切って10勝目を挙げた。13日目に白鵬が勝って隠岐の海が敗れれば、白鵬の2場所ぶり24度目の優勝が決まる。

 白鵬らしい力強い相撲で稀勢の里を圧倒し、優勝に王手をかけた。狙いは張り差しからの「両差し」。しかし、右は入らず、稀勢の里の得意な左四つとなった。それでも慌てない。右上手を取ると力強く寄り、それをこらえようと踏ん張った相手の力を利用して豪快な上手投げ。大関は土俵中央で裏返しになっただけではとどまらず、土俵下まで転げ落ちた。

 「どの体勢になっても対応できる。そういう意味で、場所前の稽古が良かった」。万全の内容。しかし、独り旅を続けてきた体は悲鳴を上げていた。支度部屋で「久しぶりに左耳に(膿が)わいた」と明かした。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)によると、左耳周辺のリンパの状態が思わしくなく、膿の症状が出たため、20日に堺市内の病院で診察を受け、点滴を受けたという。初日から10日目までは毎朝出ていた稽古も、20日から2日続けて休んだ。

 今場所もさまざまな記録達成がかかっている。賜杯を手にすれば24度目で北の湖(現相撲協会理事長)と並ぶ史上4位。全勝優勝すれば9回目となり大鵬、双葉山を抜いて歴代単独1位の勲章を手に入れる。13日目にV決定ならば4度目で千代の富士(現九重親方)に並ぶ。

 この日の白星で幕内通算647勝。歴代9位になったが「いろいろあるんだね」と意に介さないのは、すでに気持ちが13日目の豪栄道戦に向いている証拠だ。左耳の不調に耐えて、24度目の頂点を目指す。

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2013年3月22日のニュース