全柔連初の女性理事に田辺陽子氏 五輪で連続銀、全日本6連覇

[ 2013年3月13日 06:00 ]

アトランタ五輪で銀メダルを獲得した田辺陽子氏

 五輪2大会連続銀メダリストの田辺陽子・日大女子部監督(47)が、全日本柔道連盟(全柔連)初の女性理事に就任する見込みであることが12日、分かった。女子15選手によるパワハラ告発問題を検証するために全柔連が設置した第三者委員会は、全柔連の上村春樹会長(62)に対し、5項目の提言を含んだ報告書を提出。報告書は暴力、暴言の存在を認定し、執行部への第三者の登用や、女性理事登用などを提言した。これを受け、全柔連幹部は、田辺氏を理事に推薦することを示唆した。

 提言5項目を含んだ15ページの提言書の最大の目玉は、全柔連組織の改革だった。問題を検証してきた第三者委員会の笠間治雄委員長は「全柔連の組織は柔道をやってる人ばかりで伝統に頭を支配されている」と批判し、法曹関係者を適任とする外部第三者の執行部への登用を進言。さらに、柔道界初となる女性理事の登用も提言に盛り込んだ。これを受け、全柔連の複数の幹部は、世界各国での研修を終え昨年12月に帰国したばかりの田辺陽子氏を理事に推薦することを示唆した。

 田辺氏は陸上のやり投げから、日大進学後に柔道に転向した異色の経歴を持つ。公開競技だった88年ソウル五輪72キロ級で銅メダル。その後、92年バルセロナ、96年アトランタと連続銀メダルを獲得する一方、柔道女子日本一を決める全日本女子選手権を6連覇するなど、女子草創期からエースとして活躍した。また、昨年12月まで約2年間の海外留学を敢行し、世界各国の柔道にも精通している強みもある。

 この日、提言書を受けた全柔連の上村会長は「これまで善かれと思ってやっていたことが、世界基準から考えられていなかったのかもしれない」と反省。第三者と女性理事の登用について「18日の理事会でプランを出して、次(6月)の理事会までには」と話し、来年の役員改選を待たずに受け入れる方針を示した。

 白羽の矢を立てられた田辺氏は現在、文部科学省の第7期の中央教育審議会委員に名を連ねており、大揺れが続く柔道界の立て直しにはうってつけの人材。就任にも前向きな姿勢を示しているとされるだけに、その手腕に期待がかかる。

 ◆田辺 陽子(たなべ・ようこ)1966年(昭41)1月28日、東京都出身の47歳。都立駒場高時代は陸上やり投げの選手としてインターハイ8位入賞。高3の授業で柔道と出合い、陸上で進学した東京女体大を中退し、日大進学。柔道を本格的に始める。86年から全日本女子選手権6連覇。世界選手権は4大会5階級に出場し、銀2、銅3。現役時代のサイズは1メートル73、72キロ。現在は日大准教授。

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