木崎 大会新Vで代表一番乗り 40キロの給水でGO

[ 2013年3月11日 06:00 ]

優勝者インタビューで笑顔を見せる木崎良子

名古屋ウィメンズマラソン

(3月10日 ナゴヤドーム発着42・195キロ、スタート時の天候=曇り、気温15・0度、湿度36%、東の風0メートル)
 8月の世界選手権(モスクワ)代表選考会を兼ねて行われ、昨夏ロンドン五輪代表の木崎良子(27=ダイハツ)が大会新の2時間23分34秒で優勝した。40キロの給水で仕掛ける頭脳的な走りで自己ベストを2分58秒短縮。日本陸連の派遣設定タイムを上回り、男女を通じて代表一番乗りを決めた。アテネ五輪金メダリストの野口みずき(34=シスメックス)は35キロすぎまで先頭集団で粘り3位。復活を印象づける2時間24分5秒の力走で代表入りを確実にした。

 両手を大きく広げてゴールに飛び込んだ木崎は林清司監督に抱きかかえられて感極まり、顔を両手で覆った。国内の選考会では男女通じてただ一人、派遣設定タイムをクリア。「勝てたことは自信になります」と喜びを爆発させた。

 35キロすぎで野口が脱落し、ディババとのマッチレース。11年横浜国際以来の2勝目は頭脳プレーでもぎ取った。仕掛けたのは40キロの給水ポイント。アフリカ勢のぎごちない動きは前半から観察していた。「給水が苦手なら、ここがチャンスになる」と、残り1キロでスパートする予定を臨機応変に繰り上げた。父・和夫さんの助言も脳裏にあった。順大で箱根駅伝に出場、実業団でマラソン経験がある父には積極的な仕掛けで世界切符をつかむよう激励されていた。

 沿道で併走する林監督から「あと1キロ、3分40秒でいけば(代表内定の)2時間23分台だ!」と激励された。懸命に腕を前後に振って、ディババを振り切った。

 緊張から前夜は不眠に陥った。午後8時にベッドに入るも、なかなか寝付けずに午前3時半に起床。朝食後30分間入った酸素カプセルでも目がさえた。それでもアップで体をほぐすと心に余裕が生まれた。「ここまで来たら何とかなる」。地面を蹴るのではなく、足を“置く”ように柔らかく接地するマラソン向きのフォームに改造。日常生活でも利き手と逆の左で箸を使うなど、バランスのいい腕の振りを目指した努力が実った。

 ロンドン五輪は日本選手最先着も16位で、世界の壁の厚さを思い知った。自己ベストを約3分更新、自ら仕掛けたレースで成長ぶりを証明。「この経験を生かしてメダルに挑戦したい」。モスクワ一番乗りを果たした27歳が再び世界への扉をこじ開けた。

 ◆木崎 良子(きざき・りょうこ)1985年(昭60)6月21日、京都府生まれの27歳。京都・宮津高で陸上を始め、佛教大で本格的に長距離に取り組むと、駅伝で頭角を現した。07年にダイハツ入社。11年の横浜国際で初優勝。12年ロンドン五輪16位。1メートル57、43キロ。

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