沙羅、国内で負けた 変則仕様で着地乱れた

[ 2013年3月10日 06:00 ]

ノーマルヒル2位に終わった高梨(左)だが、表彰台では1位・竹田と向き合い笑顔を見せる

スキー第91回全日本選手権ジャンプノーマルヒル

(3月9日 長野県白馬村=HS98メートル、K点90メートル)
 W杯総合優勝の高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル)が国内大会でまさかの黒星を喫した。助走路は夏用のレール、着地面は雪という変則仕様で行われた今大会。1本目は85・5メートルで3位にとどまり、2本目に最長不倒の86・5メートルをマークしたが、着地が乱れて合計199・5点。得点を伸ばし切れずに2位に終わった。竹田歩佳(23=ライズJC)が合計203・0点で大会初優勝を飾った。

 いつもの異次元の強さは見られなかった。1本目は少し前のめりになって、高梨には出遅れの3位。逆転を狙った2本目も着地で雪に足を取られ、しゃがみ込んで飛型点を大きくロスした。女王は「いろいろな条件の中で自分の技術が伴わなかった。まだまだ」と淡々と振り返った。

 2位に3倍以上のスコアで圧勝した前週の宮様大会とは対照的な結果だった。今年の白馬は気温が高く、助走路はこの時期にしては珍しい夏仕様。レールの間にセラミック製タイルを敷き詰めて水を流したものだ。雪に比べると初速が出ず、加速も鈍い。全日本スキー連盟の斉藤智治ジャンプ部長は「彼女の攻めるクローチング(かがんだ助走姿勢)だと、少しずつスキーが詰まっていく(スピードに乗れない)」と相性の問題を語った。

 高梨が国内大会で日本人に負けるのは昨年9月の妙高サマージャンプ以来。確かに冬の安定感に比べれば、夏のジャンプ台では取りこぼしも多い。ただし、ノルウェーでW杯残り2試合を戦う高梨にとって今回の結果は大きな問題ではないはず。「今季サマーレールで飛ぶのは初めて。いい経験をした」と気落ちした様子も見せなかった。

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2013年3月10日のニュース