伊藤みき、また銀「凄くいい日」デュアルモーグル女子

[ 2013年3月9日 06:00 ]

デュアルモーグル女子で2位となり、銀メダルを手に笑顔を見せる伊藤みき

フリースタイルスキー世界選手権第5日

(3月8日 ノルウェー・ボス)
 デュアルモーグル女子の伊藤みき(25=北野建設)が2位に入った。決勝でクロー・デュフールラポワント(カナダ)に敗れたが、モーグルに続いて今大会2個目の銀メダルを獲得した。日本勢では、女子ハーフパイプの小野塚彩那(24=石打丸山ク)の銅と合わせて3個目のメダル獲得。村田愛里咲(ありさ、22=北翔大)と、男子の遠藤尚(しょう、22=忍建設)は準々決勝で姿を消した。

 伊藤が自身今大会2個目の銀メダルを獲得した。決勝で敗れたため、「勝ちきろうというのがあったので、悔しさもある」と本音も漏らした。だが、それ以上に充実感がある。「でも、凄くいい日だった。デュアルは何が起こるか分からない」と笑顔をはじけさせた。

 「一本一本ベストを尽くす」と臨んだ決勝トーナメント。1回戦から正確なエアとターンを披露し、順調に勝ち進んだ。「事実上の決勝のつもり」で戦った準決勝ではバンクーバー冬季五輪女王、ハナ・カーニー(米国)の失敗にも助けられ、決勝に進んだ。

 2月の猪苗代大会でW杯初優勝して以降、レースでの積極性にこだわるようになった。安定した技術を持ちながら、もう一歩突き抜けることができずにいたが「試合を通して限界に挑戦することで大きく成長できる」とより意欲的になった。

 その思いをぶつけた前日の予選では「全力でいけた。積極的に滑れた」と胸を張った。ここにきて飛躍を遂げ、日本のエース格として上村愛子(北野建設)と二枚看板を形成する勢いだ。

 1対1で勝負するデュアルモーグルは、W杯で過去3度、表彰台に立つなど相性がいい。得意種目で勝ち進み、「決勝まで4本滑れたのは自信になった」と、さらに自信が深まった。ソチ五輪のメダル候補は、その地位を着々と固めている。

 ▽女子デュアルモーグル (1)クロー・デュフールラポワント(カナダ)(2)伊藤みき(北野建設)(3)カーニー(米国)(5)村田愛里咲(北翔大)

 ◆伊藤 みき(いとう・みき)1987年(昭62)7月20日、滋賀県日野町生まれの25歳。3歳からスキーを始め、小2の時にモーグル教室に入る。姉・あづさ(27)、妹・さつき(19)も選手のモーグル3姉妹。近江兄弟社高から中京大を経て北野建設に入社。トリノ五輪は20位、バンクーバー五輪は12位。世界選手権は09年デュアルモーグル2位。W杯は今季初優勝を果たすなど、通算4度表彰台に立った。1メートル62、53キロ。

 ▽デュアルモーグル 1人ずつ滑るモーグルに対し、2人同時に滑って対戦する。予選は1人で滑り、上位16人がトーナメント方式の決勝に進む。決勝では7人の審判(ターン4人、エア2人、スピード1人)が、それぞれの持つ5点を振り分けて採点する。五輪では実施されないが、世界選手権では99年から実施されている。

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