小野塚彩那 スキーHPで日本勢初の表彰台!

[ 2013年3月7日 06:00 ]

ハーフパイプ女子で銅メダルを獲得し喜ぶ小野塚彩那(右)

フリースタイルスキー世界選手権第2日

(3月5日 ノルウェー・オスロ)
 ハーフパイプ(HP)決勝を行い、女子で予選1位通過の小野塚彩那(24=石打丸山ク)が1回目に80・4点をマークして3位となり、銅メダルを獲得した。05年から採用されたHPで日本勢の表彰台は男女を通じて初めて。三星(みつぼし)マナミ(29=野沢温泉ク)は75・8点で4位に入った。ビルジニ・フェーブル(30=スイス)が83・8点で勝ち、09年大会以来2度目の優勝を果たした。日本勢が決勝に進めなかった男子は、デービッド・ワイズ(22=米国)が初優勝した。

 オスロの夜空に豪快な回転技の花を開かせた。持ち味の高さを存分に発揮した小野塚は、初出場の世界選手権で表彰台に上った。夢見たソチの舞台を1年後に控え、スキー・ハーフパイプの存在を国内にも存分にアピールするメダルをつかんだ。

 「予選の成績が1位で、優勝を狙っていたので悔しさが残る。でもメダルを獲れたのはよかった」。4日の予選を87・6点の1位で突破し、頂点を目指して気合十分だった。1回目は美しい横回転から柔らかく着地を決め、技のつなぎもスムーズだった。2回目の後は「勝ったと思った」と金メダルを確信したが、得点は1回目を下回り、思わず天を仰いだ。

 アルペン女子大回転のインカレ覇者で、全日本技術選手権では毎年上位に食い込む実力の持ち主だった。そんな小野塚の人生が変わったのは11年4月。IOC理事会でHPがソチ五輪の新種目に決まった。HPの楽しさを知りつつも「明確な目標がなかった」ところに最高の目標ができた。世界の頂点を目指して転向を決意した。

 HPはまだ歴史が浅いため、全日本スキー連盟の強化指定選手はいない。W杯など海外遠征は基本的に自費参加。小野塚は公式サポーターズクラブを組織して支援を募っている。三星も4位と健闘しただけに、片岡美穂コーチは「スタッフを含め、HPのチームを組めたらありがたい」と強化体制の改善を願った。

 技術系で磨いたスキー操作と高さのあるジャンプを武器に、ソチ五輪でも表彰台を目指すニューヒロイン。小野塚は「まだまだこれから」と足元を見つめ直しつつ、「1番になれなかった悔しさをソチで晴らしたい」と熱い思いをたぎらせた。

 ◆小野塚 彩那(おのづか・あやな)1988年(昭63)3月23日、新潟県南魚沼市(旧・塩沢町)生まれの24歳。父・史朗さんがジャンプの国体出場経験者で、2歳からスキーを始める。湯沢高から専大に進み、09年インカレ1部で女子大回転優勝。全日本技術選手権では総合2位が3回。11年春からHPに専念し、昨季からW杯に参戦。今季は開幕戦で3位、2月に2位となるなど、全4戦で1桁順位に入り、W杯種目別で3位につけている。石打丸山ク所属。1メートル58、50キロ。

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