佐藤悠基に高岡寿成氏「2時間7分台で走る可能性ある」

[ 2013年2月24日 06:00 ]

東京マラソンを前に最終調整を終えた佐藤

東京マラソン

(2月24日 東京都庁~東京ビッグサイト)
 男子は8月の世界選手権(モスクワ)選考会を兼ねる東京マラソンは24日、東京都庁~東京ビッグサイトのコースで行われ、午前9時10分にスタートする。注目は1万メートル日本歴代3位の記録(27分38秒25)を持ち現役最速のスピードを誇り、初マラソンに挑む佐藤悠基(26=日清食品グループ)だ。男子マラソンと1万メートルで日本記録を持つカネボウの高岡寿成コーチ(42)は藤原正和の持つ初マラソン日本最高記録(2時間8分12秒)の更新に期待を寄せた。

 佐藤は常に日本のトップを走ってきた。3000メートルの中学記録、1万メートルの高校記録、箱根駅伝で3年連続区間新、5000メートルと1万メートルでロンドン五輪出場。マラソンと1万メートルで日本記録を持つ高岡氏も佐藤のマラソン挑戦に胸を躍らせている。

 高岡氏 非常に楽しみ。佐藤君はフォームが大きくブレることがなく、スムーズでスマートに走る。マラソンには向いているでしょう。

 1万メートルで27分35秒09の日本記録を持つ高岡氏は、01年12月の福岡国際で初マラソンに挑戦。当時31歳で、2時間9分41秒の3位だった。

 高岡氏 私は年齢もあって絶対に失敗できなかった。31歳だった私と、26歳の佐藤君とでは置かれている状況が違う。佐藤君は、あまりプレッシャーを感じていないのではないでしょうか。

 佐藤の1万メートルの自己ベストは27分38秒25。このレベルのスピードを持つ選手は、序盤は余裕を持って走ることが可能だ。

 高岡氏 佐藤君のスピードなら、日本人が目安にする1キロ3分のペースは楽に刻めます。私の場合、初マラソンも20キロまでは簡単に走れました。ただ、35キロ手前からは体が動かせない感覚に陥りました。これは練習では経験できないものでした。

 自らの経験から、初めての42・195キロでは、激走することよりも重要なことがあると強調する。

 高岡氏 凄いタイムを出すよりは、大失敗しないことが大事。失敗は脳裏に刻まれ、次以降のレースに悪影響を及ぼす可能性がありますから。

 この日、佐藤は軽めのランニングで最終調整を終えた。「いつも通りです」と淡々と話す姿からは、気負いは感じられない。

 高岡氏 佐藤君のポテンシャルなら、いきなり2時間7分台で走る可能性はある。いずれは2時間4、5分台を目指してほしい。このタイムは誰でも狙えるものではありません。佐藤君のようにスピードがあるランナーにしか、到達できない領域ですから。

 ▽世界選手権の男子マラソン選考 枠は5。昨年12月の福岡国際、東京、3月のびわ湖毎日で2時間8分を切った日本人トップは代表に決定。福岡では堀端が2時間8分24秒で日本人トップとなり、代表入りが有力に。日本人3位以内に入れば選考対象になる別府大分は、川内が2時間8分15秒で制した。今春のボストン、ロンドンで2時間8分を切った選手も選考に加えられる。

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2013年2月24日のニュース