復帰目指す野球&ソフト困惑 5月「1枠」懸けて“直接対決”

[ 2013年2月13日 06:00 ]

レスリング五輪除外危機

 中核競技から外れたレスリングが9月のIOC総会で20年五輪の実施競技に選ばれる可能性は厳しいとはいえゼロではない。ただ08年北京五輪を最後に除外された野球とソフトボールもライバルとなる。予想外の展開に日本野球機構(NPB)の下田邦夫事務局長は「初耳だ。信じられない」と驚いた様子で「強力なライバルになる」と話した。

 20年五輪での野球とソフトボールの復帰を後押ししてきた日本オリンピック委員会(JOC)は複数のメダル有望競技が争う状況となり、難しい立場に立たされた。ある関係者は「最悪のパターンは野球とソフトボールが外れ、レスリングも外れることだ」と頭を抱える。

 野球、ソフトボールの関係者にとってもレスリングの除外は衝撃のニュースだった。北京五輪ソフトボール金メダリストの上野由岐子(30=ルネサスエレクトロニクス高崎)は「日本で盛り上がっている競技が外されるイメージで、残念としか言いようがない」と困惑。「ソフトボールとかレスリングとかいう競技は別として、五輪でメダルを獲るシーンに憧れて、競技を始める子供たちを考えると胸が痛みます」と関係者の心情を思いやった。全日本アマチュア野球連盟の鈴木義信副会長(69)は「今の段階ではコメントできません」と語った。

 野球もソフトボールも日本のメダル有望種目だが、05年7月のIOC総会で除外が決まった。16年リオ五輪でも落選し、国際野球連盟と国際ソフトボール連盟は単独での復帰は困難と判断。男子が野球、女子はソフトボールの1競技として採用を目指すことで合意し、昨年12月には統合団体の名称を「世界野球ソフトボール連盟」にすると発表した。テレビ放送に合わせた試合時間短縮のため、野球はソフトボールと同じ7回制やタイブレーク制の導入も検討するなど、本気度をアピールしている。

 関係者の願いは通じるのか。5月のIOC理事会ではレスリングを含めた8競技から1つに絞られ、9月7日のIOC総会で採用かどうかが決まる。

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2013年2月13日のニュース